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アスピリンぜん息
アスピリンなどの鎮痛解熱薬、タートラジン(食用黄色4号)や一部の防腐剤など食品・医薬品添加物などが引き起こすぜん息。鎮痛解熱薬は、経口薬や注射薬ばかりでなく湿布薬(貼付薬)でも発作を誘発するので注意が必要である。アスピリンぜん息は重症難治例が多く、しばしば意識障害をきたすほど重篤な発作を起こし、死亡することもある。成人のぜん息の約10%に出現し、小児ではまれ。
アトピー
生まれつきもっている、抗原に対し過敏症をつくりやすい体質。遺伝的、家族的要因が強い。
アトピー性皮膚炎
アレルギー反応によって皮膚に炎症が起こる病気。生後2~6か月ころより顔面の湿潤性湿疹に始まり、次第に胸や腹、手足に拡大し、幼児期には首や四肢の屈曲部で病変が強く、思春期成人期になると上半身に皮疹が強い。強いかゆみを伴う。治療は、原因や誘因を確かめ、取り除くと同時に、ステロイド薬を中心にした外用療法を主体に、抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬などの飲み薬を併用し、日常の皮膚の清潔、乾燥防止などスキンケアを励行する。
アレルギー
ある特定の抗原(アレルゲン)に対する反応が、生体に防衛的にはたらくのではなく、有害に作用する場合の一連の免疫反応をいう。
アレルギー性鼻炎
アトピー性疾患のひとつ。くしゃみ発作、水様性鼻汁過多、鼻づまりを三主徴とし、ほかに鼻咽頭、眼などの痛痒感、全身倦怠感を伴う。アレルゲンとしては、通年性鼻炎ではハウスダスト、ダニが多く、季節性鼻炎ではスギなどの花粉類が多い。
アレルギーマーチ
乳児期にアトピー性皮膚炎、次いで幼児期に気管支ぜん息、その後にアレルギー性鼻炎といった具合に、同じ個体で、成長するにしたがってアレルギー性疾患が臓器をかえて次々と発症し消長する様子をいう。なるべく早期にアレルゲンを特定し除外することなどにより、アレルギーマーチ進行の阻止がはかられている。
アレルゲン
アレルギー性疾患を引き起こす原因となる物質。ハウスダスト・花粉・動物の毛、昆虫、カビ(真菌)などの吸入性アレルゲン、食物(卵・牛乳、小麦・そば粉など)、薬剤などの化学物質、ハチ毒などの昆虫毒素がある。気管支ぜん息で最も頻度が高いアレルゲンは、ハウスダスト・ダニである。