・一般演題
その他(2)
座長:中村陽一(国立高知病院臨床研究部)
372.当科におけるシックハウス症候群様患者に対する対応
池田浩己1,2) 中澤浩子1) 中江 香1) 中村晶彦1) 山下敏夫1) 榎本雅夫2) 圓藤陽子3)
関西医科大学耳鼻咽喉科1) 日本赤十字社和歌山医療センター耳鼻いんこう科2) 関西医科大学公衆衛生学3)
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我々は第14回春期臨床アレルギー学会において,関西医科大学耳鼻咽喉科アレルギー外来におけるシックハウス症候群および化学物質過敏症が考えられる患者について検討し報告を行った.
第52回日本アレルギー学会において,シックハウス症候群の暫定的な定義が「化学物質・アレルゲン・微生物などの影響による,家庭内環境の微妙な変化で健康障害が起きた状態」と発表された.
しかし未だ臨床現場で症例ごとの反応は様々で治療に苦慮していることは否めない.
2002年4月以降,化学物質過敏症と考えられるケースに対しては北里研究所病院の治療法に準じ,内服,点滴加療なども行っている.
さらに希望する症例では健康被害を起こした環境調査も行い,診断・治療の重要な材料としている.
今回はシックハウス症候群様症状を呈する患者に対して行っている対応につき,現地調査のデータも含めて実際の症例を紹介する.
多様化する現代社会環境の中では心身共に健康を維持していくことは困難なことなのかもしれないが,目に見えぬ化学物質による健康被害をなくしていくために,症例ごとの検討を深め経験を積み重ねることが重要であると痛感している.
第15回日本アレルギー学会春季臨床大会 2003年5月開催