シックハウス症候群の疫学調査 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・一般演題
疫学(2)
座長:斎藤純平(福島県立医科大学呼吸器科)

382.シックハウス症候群の疫学調査

子安ゆうこ1) 小田島安平1) 神田 晃2)
昭和大学 小児科1) 昭和大学 公衆衛生学2)


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【目的】シックハウス症候群(以下SHS)とは,建物の室内環境が原因で健康被害を呈するものである.SHSは社会的には認知されているが,医学的な定義はなく疾病概念も曖昧である.

我々は調査用紙を用い,本邦のSHSに関する疫学調査を行った.

【方法】厚生労働省の「SHSに関する疫学的研究」班における調査用紙を用いた.

20229人に配布し,小児9387人,成人8737人の回答が得られた.

【結果】原因環境物質は小児・成人ともエアコン,ヒーター,ペットが上位であった.

有訴症状は小児では粘膜症状が多く,成人では不定愁訴が多かった.

我々はSHSを「化学物質,アレルゲン,微生物等の影響により,室内環境の変化で,眼症状,鼻症状,喉症状,気道症状,皮膚症状,体調不良,心理症状,筋肉関節症状,消化器症状,泌尿生殖器症状といった健康障害が,限定された特定の建物に滞在することによって認められる状態」と定義した.

SHSの有病率は小児19.8%,成人22.1%.一方,欧米でのシックビルディング症候群(以下SBS)の定義に本対象を当てはめて分析した.

WHOによるSBS有病率は小児17.7%,成人18.4%.European concerted action indoor air quality and its impact manによるSBS有病率は小児1.67%,成人3.0%.定義により有病率が大きく異なり,慎重な定義づけが必要と考える.

第53回日本アレルギー学会総会 2003年10月開催