一般臨床医のシックハウス症候群・化学物質過敏症に対する意識調査 | 化学物質過敏症 runのブログ

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座長:中村陽一(国立高知病院臨床研究部)

371.一般臨床医のシックハウス症候群・化学物質過敏症に対する意識調査

鈴木直仁
東京シックハウス症候群・化学物質過敏症研究会代表世話人


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【目的】シックハウス症候群・化学物質過敏症に該当する疑いのある患者が一般の外来,特にアレルギー外来を受診するケースが増えている.

この疾患概念に対する一般臨床医の意識を調査した.

【方法】2002年9月6日に行われた第2回東京シックハウス症候群・化学物質過敏症研究会で,参加者を対象にアンケート調査を行った.

【結果】参加者38名のうち,回答は15名のみであった.

回答者の7割が「シックハウス症候群・化学物質過敏症」を独立した疾患概念と考えており,疑い例を含めて診療経験例は合計42例に達していた.

本疾患の病態を「アレルギー性疾患」と考えるよりは,「中毒性疾患」と考える意見が多かった.「診断のためにどこの施設でも行えるような検査法が無い」「きちんとした診断基準が無い」「心因性との鑑別が困難である」などが診療上の問題点として挙げられていた.

【結論】研究会に参加した医師の間では「シックハウス症候群・化学物質過敏症」の概念が認められつつあるが,無回答者が多かったことは,今なお多くの一般臨床医がこの疾患概念にとまどっていることを示唆していると考えられる.

第15回日本アレルギー学会春季臨床大会 2003年5月開催