・一般演題
薬物アレルギー(3)
座長:安井正英(金沢大学呼吸器内科)
116.シックハウス症候群に関する疫学的研究
飯倉洋治1) 阿部祥英1) 今井孝成1) 子安ゆうこ1) 酒井菜穂1) 平山優美1) 渡辺一彦1) 近藤直実2) 古川 漸3)
昭和大学 医学部 小児科1) 岐阜大学 医学部 小児科2) 山口大学 医学部 小児科3)
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【はじめに】厚生科学研究において,標記で平成12年から研究を行っている.本来の研究目的は本邦におけるシックハウス症候群患者の頻度を把握する研究班であるが,シックハウス症候群の名称から検討した.
今回はその調査結果を報告し,新しい症候群であることから皆様のご意見も伺いたく昨年度までの結果を発表させて頂く.
【方法および対象】研究班で作成したスクリーニング調査用紙を用いた.
対象は主に品川区立の小学校児童・父兄を対象とし,一部山口県,岐阜県を大都会と異なる都市として調査を行なった.
症状ありの評価は新築・改築後何らかの臨床的訴えをした人とした.
【結果】調査用紙の回収率は児童8,023(81.4%),成人7,438(75.5%)であった.
児童の有効回答率は98%,成人の有効回答率は98.5%であった.
小児の有訴者は35.7%であり,成人の有訴者は35%であった.
有訴者のうちアレルギー疾患のある者は小児で29.8%,成人で19%であった.【考案】今回の研究結果によりシックハウス症候群の定義を暫定的に「化学物質・アレルゲン・微生物等の影響による,家庭内環境の微妙な変化で健康障害が起きた状態」とした.
今後も引き続き検討を行う.
第52回日本アレルギー学会総会 2002年11月開催