環境測定と原因化学物質負荷テストにて診断されたシックハウス症候群 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・一般演題
薬物アレルギー(3)
座長:安井正英(金沢大学呼吸器内科)

113.環境測定と原因化学物質負荷テストにて診断されたシックハウス症候群の1例

岡田千春1) 木村五郎1) 坂口 基1) 春摘 誠1) 谷本 安2) 宗田 良1) 高橋 清1) 吉良尚平3)
国立療養所南岡山病院 アレルギー科1) 岡山大学医学部 第2内科2) 同 公衆衛生学3)


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近年高気密住宅の普及により,家屋内の揮発性化学物質の濃度上昇が指摘されている.

この高濃度の揮発性化学物質による頭痛,目の痛み,胸苦,咳嗽,四肢のしびれなどの症状を呈するシックハウス症候群が問題となってきている.

今回環境測定と患者本人の被疑化学物質負荷テストにて診断し得た症例を経験したので報告する.

(症例)63才,女性.平成13年10月入居予定の新築マンションのモデルルームに入室後,退室して5分後より胸苦,目の痛み,頭痛が出現した.

以後同様の症状に悩まされるようになり,医療機関を受診するが検査にて異常なし.症状軽快せず,シックハウス症候群を疑い12月当院受診された.

1月環境クリーンルームにてホルムアルデヒド,トルエン,キシレンの負荷テストを受け,トルエンに対して陽性反応を認め,過敏症有りと判定した.

他機関にて行われた環境測定の結果では,トルエンが1407μg/m3の高値を示す部屋が存在し,環境中にも高濃度のトルエンが証明された.

以上よりトルエンによるシックハウス症候群と診断した.

当症例は,その後環境に注意して生活をすることにより症状が改善してきている.

第52回日本アレルギー学会総会 2002年11月開催