職業性暴露によりシックハウス症候群様症状を呈した2症例 | 化学物質過敏症 runのブログ

化学物質過敏症 runのブログ

化学物質過敏症 電磁波過敏症 シックスクール問題を中心としたブログです

・一般演題
職業アレルギー
座長:上田 厚(熊本大学衛生学)

69.職業性暴露によりシックハウス症候群様症状を呈した2症例

池田浩己1,3) 中澤浩子1) 中村晶彦1) 山下敏夫1) 圓藤陽子2) 嶽 良博3) 榎本雅夫3)
関西医科大学 耳鼻咽喉科1) 同 公衆衛生学教室2) 日本赤十字社和歌山医療センター 耳鼻咽喉科3)


--------------------------------------------------------------------------------
【はじめに】住宅や職場で暴露されるホルムアルデヒド(以下FA)等の化学物質によって多様な症状を呈する,いわゆる「シックハウス症候群(以下SHS)」や「化学物質過敏症」が問題となっている.

今回は職場における化学物質が原因でSHS様症状を呈したと思われる2症例について報告する.

【症例】第一例:改築後の社屋に移転してから,吐き気,頭痛を自覚.

症状改善なく複数の病院や診療所を受診した後,関西医科大学耳鼻咽喉科を紹介受診した.

第二例:花屋に納入するメラミン樹脂加工リボンを職場内に保管するようになり,呼吸困難感,咽喉頭乾燥感,咳,浮動感を自覚,数カ所の病院を受診するも軽快せず,我々を紹介受診となる.

【考察】建材などから放出されるFA暴露による障害は,工場におけるFA単独暴露とは異なり,SHSと同様に低い濃度でも様々な訴えがあるといわれている.

今回の2症例も比較的低い濃度であったのにも関わらず多彩な自覚症状やETT,STAI検査で所見を認めた.

多くの医療機関において化学物質暴露による障害についての知識が少なく,患者の訴えが正しく理解されずに患者も大きな心理不安を持っていたと考えられた.

第52回日本アレルギー学会総会 2002年11月開催