・一般演題
化学物質過敏症2
座長:長谷川眞紀(国立病院機構相模原病院アレルギー・呼吸器科)
P-288.新築医療施設に入院して悪化し,転地療養で軽快した気管支喘息を伴う化学物質過敏症患者の1例
小倉由紀子 小倉英郎
国立病院機構高知病院臨床研究部・アレルギー科
--------------------------------------------------------------------------------
症例は47歳女性,平成16年4~8月,職場に放置されていた殺虫剤に大量暴露され,以後,種々の化学物質に反応(たばこ,灯油,排気ガス,芳香剤,洗剤,消毒薬などで,視力障害,気分不良,臭覚過敏,息苦しさ,嘔気,頭痛,ふらつき等)するようになり,平成18年2月中旬より,喘息発症,ステロイド吸入・内服を開始したが,改善はみられず,12月15日,新築直後のK医療センターに入院した.
入院した日の夜より,大発作となり,ステロイドの点滴でも軽快せず,サイクロスポリンを開始したが,改善なく,平成19年1月29日退院した.自宅でも呼吸困難が続くため,2月13日,当科入院となった.
入院後,化学物質除去を行った個室に入ったところ,呼吸困難が改善し,ステロイド,サイクロスポリンを漸減・中止,少量のキサンチン製剤とβ刺激剤のみで,日常生活が送れるようになったが,毎日夕方には咳嗽・喘鳴が出現していた.
それ以上の改善が難しいため,4月17日,退院し,高知県山間地の別府峡温泉での転地療法を行った.
7月に呼吸機能正常化し,内服薬も中止できたが,K医療センター入院時に発症した電磁波過敏症に悩まされ,現在,口腔内歯科金属除去のため再入院中である.
第20回日本アレルギー学会春季臨床大会 2008