化学物質負荷試験のまとめ | 化学物質過敏症 runのブログ

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・一般演題
化学物質過敏症1
座長:中村陽一(横浜市立みなと赤十字病院アレルギー科)

P-286.化学物質負荷試験のまとめ

長谷川眞紀1) 大友 守1) 水城まさみ2) 秋山一男1)
国立病院機構相模原病院1) 国立病院機構盛岡病院2)


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【背景】化学物質化敏症は診断の決め手となるような客観的な検査所見が無く,病歴,QEESI点数,臨床検査(他疾患の除外),経過,等から総合判断として診断していることが多い.

したがって施設ごと,医師ごとに判断が食い違うことも珍しくない.

診断のゴールドスタンダードは負荷試験であるが,これも客観的所見より自覚症状の変化を判定の目安として使わざるを得ない.

我々の施設では,シングルブラインドによる負荷試験も行っているが,これまでのまとめをオープン試験を含めて報告する.

【方法】当院内の負荷ブースを用い,ホルムアルデヒド,あるいはトルエンを負荷した.負荷濃度は最高でも居住環境指針値とした.

【結果】これまで49名の患者に延べ55回の負荷試験を行った.ブラインド試験は9名である.

オープン試験を行った40名のうち,陽性例は18名,陰性例は22名であった.陰性判定理由は症状が誘発されなかった例が11名,実際の負荷が始まる前に(モニター上負荷物質濃度上昇が検出される前に)症状が出た例が11名であった.

ブラインド試験は9名に施行し,陽性が3名,陰性が6名であった.

【結論】化学物質負荷試験は現時点でもっとも有力な化学物質過敏症の診断法であり,共通のプロトコールを作成し行われるべきである.

第20回日本アレルギー学会春季臨床大会 2008年6月開催