薬剤過敏症における負荷試験症例の臨床的検討 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・ミニシンポジウム7
薬物アレルギー
座長:相原道子1), 山口正雄2)(横浜市立大学大学院医学研究科環境免疫病態皮膚科1), 東京大学アレルギー・リウマチ内科2))

MS7-8.薬剤過敏症における負荷試験症例の臨床的検討

関谷潔史, 谷口正実, 福冨友馬, 谷本英則, 押方智也子, 小野恵美子, 粒来崇博, 釣木澤尚実, 大友 守, 森 晶夫, 前田裕士, 長谷川眞紀, 秋山一男
国立病院機構相模原病院臨床研究センター


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【背景】薬剤過敏を訴える患者は多いが適切な診断指針は未だ確立しておらず,必要以上の投薬拒否がある

【目的】我々が行った一定の指針による薬剤負荷試験結果を解析し,より安全かつ精度の高い検査法を明らかにする

【方法】過去2年間に薬剤負荷試験目的で入院した患者35例を解析対象とした.当院での診断基本方針は,

1.重篤又は非可逆的副作用の可能性がある負荷試験は施行しない 

2.NSAIDs不耐症:アスピリン全身負荷が基本 

3.NSAIDアレルギー:NSAIDs不耐症の否定と安全薬の検索 

4.抗菌薬アレルギー:原則的に被疑薬は負荷せず,安全薬を検索.被疑薬と構造の異なる抗菌薬を負荷 

5.局所麻酔薬:生食を含め少量から皮膚テスト 

6.精神的な関与が疑われる場合は,偽薬を含む薬剤を二重盲検で行う

【結果】NSAIDs15,抗菌薬10,局所麻酔薬1,その他8例(重複あり).負荷薬全て陰性が7例存在した.

誘発症状は蕁麻疹・血管性浮腫が多く,アナフィラキシー反応を認めた症例も存在した.

【まとめ】負荷試験により以後安心して投薬を受けることができ,患者満足度は非常に高かった.

今後より安全かつ正確な負荷試験の確立を目指したい.

第20回日本アレルギー学会春季臨床大会 2008年6月開催