化学物質過敏症診断における客観的指標の検討 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・一般演題
座長:青木秀夫(下仁田厚生病院内科)

530.化学物質過敏症診断における客観的指標の検討

水城まさみ
独立行政法人国立病院機構盛岡病院 臨床研究部


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化学物質過敏症(MCS)の診断には,詳細な病歴や臨床症状の聴取,他疾患の鑑別が重要である.

またシックハウス症候群では環境中の化学物質濃度測定も必要となる.

しかしMCSでは化学物質濃度が基準値以下でも発症してくるため,場合によっては負荷ブースによる化学物質負荷試験が必要とされる.

負荷ブースを持たない一般診療施設で,化学物質物質過敏症外来を開設して3年が経過した.

この間MCS診断のための世界共通の指標として開発されたQEESIを活用して検証を進め,その有用性について本学会で報告してきた.

今回はこれらの症例に対して,静脈血酸素分圧(PVO2)測定,カプサイシンによる咳感受性試験さらに同意の得られた患者に対して簡易負荷装置にて化学物質を負荷しNIRO-100を用いてヘモグロビンO2測定を行い脳血流変化をみたので,それぞれの指標との関連性及び診断に対して客観的指標になり得るかについて検討した.

対象は何らかの化学物質曝露のエピソードを有する患者48名(男8名,女40名)で,QEESI分類でMCS疑い以上が34名.

初診時PVO2が30Torr以上を呈する者が75%,ほぼ全例で咳感受性検査にて閾値の低下を認め両者は診断に有用であることが示唆された.

NIRO-100も異常値を示す症例があったが,さらに症例数を増やして検証する必要がある.

第55回日本アレルギー学会秋季学術大会 2005年10月開催