・一般演題
シックハウス症候群・化学物質過敏症
座長:岡田 千春((独)国立病院機構南岡山医療センター)
479.化学物質過敏症を疑って来院した患者の気分状態についての検討
西山晃好1) 大友 守1) 長谷川眞紀1) 秋山一男2)
独立行政法人国立病院機構 相模原病院 臨床環境医学センター1) 独立行政法人国立病院機構 相模原病院 臨床研究センター2)
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(目的)化学物質過敏症(以下CS)の診断には客観的指標がなく,診断基準に基づいてなされるため,精神疾患および他慢性疾患との鑑別が不透明である.環境医学センターの外来に来た患者の臨床症状と自覚症状と気分状態の関連について検討した.
(方法)平成15年9月からH16年3月まで当院環境医学センターを受診し,臨床的にCSの診断に至った13名と他疾患と診断された17名について,質問紙を使って自覚症状,生活の障害の程度,気分状態について調査した.
気分状態の評価についてはPOMSを用いた.
(結果と考察)CSと診断された群と他疾患と診断された群で,緊張不安状態,抑うつ状態,怒り敵意,疲労,混乱などの項目では,それぞれに特徴的な結果は得られず,有意な差は認めなかった.
また両者とも活動性に関する項目は低得点だったが両者に有意な差は認めなかった.
CSを疑って来院する患者は活動性が落ちている状態にあることが伺えたが,気分状態の評価が直接はCSの診断に結びつくものではないと考えられた.
しかしうつ状態,ストレス疲弊状態などの評価はCS患者には不可欠であり,その後の治療スタンスを決定するのに重要と考えられた.
第54回日本アレルギー学会総会 2004年11月開催