QEESIを用いた化学物質不耐性と症状との関連性の検討 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・一般演題
化学物質過敏症
座長:青木秀夫(下仁田厚生病院内科)

313.化学物質過敏症外来受診者に対する問診票QEESIを用いた化学物質不耐性と症状との関連性の検討

水城まさみ
国立盛岡病院臨床研究部


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【目的】化学物質過敏症(MCS)の発症要因として種々の化学物質があげられるが,症例により化学物質不耐性が異なる可能性がある.

これらを明らかにするために化学物質曝露歴が特定できる症例に対して,MCSのスクリーニングのための問診票であるQEESIを用いて種々の化学物質不耐性と症状,日常生活障害度との関連性をみた.

【方法】対象は国立盛岡病院の「化学物質過敏症外来」初診患者で何らかの化学物質曝露のエピソードがある者32名.

初診時,医師の診察前にQEESIおよび居住環境,職歴に関する質問に回答してもらった.

【結果】エピソード前では車の排気ガス,タバコの煙,香水・芳香剤不耐で気管支粘膜症状との相関が強く,殺虫剤・除草剤では心・循環症状との相関が強かった.

一方エピソード後ではすべての化学物質不耐項目で多数の症状との相関がみられたが,前にみられた気管支粘膜症状とは相関がみられなくなり,筋,心・循環,認識,情緒,神経などとの相関が強かった.

日常生活障害では特にタバコの煙,殺虫剤・除草剤に不耐性が強い者は障害の程度が強かった.

【結論】QEESIはMCSの診断のみならず,発症機序解明さらには環境要因の改善などの治療をしていく上でも有用である.

第16回日本アレルギー学会春季臨床大会 2004年5月開催