ナノマテリアルの安全対策 | 化学物質過敏症 runのブログ

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1.検討の背景
ナノマテリアルのナノとは10 億分の1 を表し、1 ナノメートル(nm)は1
ミクロン(マイクロメートル)の更に1000 分の1 の長さである。

ナノマテリアルとは、その一次粒子(分子)の大きさがナノサイズである材料を意味する。

ナノマテリアルは、その組成単位がごく小さくなることにより、ナノマテリアル特有の物性を示すことが知られており、従来の材料にはない優れた性質を有する新素材が得られる可能性が高いことから、国際的に積極的な研究開発が進められている。
既にカーボンブラック、シリカ、酸化チタン、酸化亜鉛等のナノマテリアルが生産されている。

その用途もタイヤ、シリコーンゴム、化粧品、医薬品等にわたっており、一般消費者向けの製品への利用が拡大されている。

さらに、近年、カーボンナノチューブ等についての研究開発も行われており、そ
れらを用いた画期的製品の開発が期待されるほか、今後更に新しいナノマテ
リアルが開発され、さまざまな用途に用いられていくことが予想される。
ナノマテリアルの生体影響については、現在まで人の健康に影響を及ぼす
とした報告はない。

ナノマテリアルの生体影響についての研究が世界各地で行われており、最近、一部の学術論文において、一定の条件下でマウス等に影響を与えることを示す報告等もなされているものの、人の健康への影響を予測するために必要十分なデータが得られた状況には至っていないのが現状である。
そこで、ナノマテリアルの現在の開発・応用状況、ナノマテリアルに特有
とされる物性、ナノマテリアルに関して現在得られている科学的知見等を踏
まえ、一般消費者向けの製品に使用されているナノマテリアルの安全対策を
進めていく上での課題や、今後の安全対策の方向について検討するため、今
般、学識経験者等を参集し、「ナノマテリアルの安全対策に関する検討会」(座
長:福島昭治 中央労働災害防止協会・日本バイオアッセイ研究センター所長)
を開催し、7 回にわたる検討の結果、本報告書を取りまとめた。
2.検討の範囲
本検討会においては、海外の動向、最新の科学的知見、技術の進歩等を踏ま
え、医薬品、化粧品等の化学物質及び化学物質を含有する製品の安全対策を検討の対象とした。

なお、労働現場におけるナノマテリアルのばく露防止対策については厚生労働省労働基準局において、廃棄後に埋立や焼却処理などにより処分される場合も含めた環境中に排出されるナノマテリアルの管理方策等については環境省において検討されており、本検討会の検討の対象から除外した。
また、検討対象とするナノマテリアルの範囲は、100nm 程度以下を目安とし
たナノオーダーサイズの粒子(分子)及びその凝集体とした。

ただし、自然発生物や不純物・夾雑物といった非意図的に生成されるナノマテリアルについては、現時点では除外した。
なお、ナノマテリアル全般を対象に情報収集した結果、現時点ではナノマテ
リアルごとの有害性も明確になっていないことが判明したことから、個別の物
質ごとの安全対策について検討するのではなく、ナノマテリアル全般の安全対
策について検討した。