・別紙 事故内容等
経済産業省から情報を入手した日
(括弧内は報告事例を企業が認識した日)
平成19 年6 月5 日(平成19 年5 月23 日)
報告事例の概要
事故発生日 平成19 年5 月7 日 事故発生場所 兵庫県
被害分類 負傷又は疾病(治療に要する期間が30 日以上)
事故概要 当該製品を自宅台所にて使用した30 歳代の女性が有機溶剤による化学性肺炎と診断され、現在も治療を受けている。
再発防止策:
販売元企業では、現時点では、当該事故製品の製造ロットに欠陥が認められていないこと、また、当該製品販売以来、10数年を経ているが、当該製品に起因する肺炎の発症事例は、他に確認されていないことから、当該製品による同様な被害が発生する危険性はないと判断している。
当室では、類似の事故の発生等の事業者が行う調査等を引き続き注視することとしていますが、一般的に、有機溶剤を使用したスプレー式製品では、製品の種類や成分にかかわらず、吸入や誤嚥による健康被害が発生しやすいことが知られており、これについては、容器に表示された使用上の注意書きによって、使用に際しては換気をよくすること、適切な保護具を着用することなどの注意喚起がなされていることから、現時点では、当該製品について回収等の特別な指導は予定しておりません。
なお、今回のような事故の防止のためには、次のような注意が必要です。
・ 合成ゴムは一般に毒性が低く、天然ゴムにみられるアナフィラキシーショックのような重篤な被害を招くこともありませんが、スプレー式接着剤のような合成ゴム製品に含まれる有機溶剤は、気管に誤嚥する等した場合、容易に体内に吸収される他、刺激によって化学性肺炎を発症する可能性があります。
化学性肺炎とは、肺に有毒な物質を吸引した場合、その物質の化学作用(刺激)によって肺の炎症が起きた状態のことで、吸引後しばらくして息切れや咳、発熱等の症状が出ます。
細菌感染を起こし易く、肺線維症に移行し呼吸障害を来すことも少なくありません。
家庭用として使用される多くの化学薬品はその原因となり得ますので、誤って吸引してしまった場合、なんらかの症状があるときは、必ず医療機関を受診してください。