米科学アカデミー声明の問題点2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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米国でも不安が高まっており、「電磁波被曝は身体に良くない」ということが、国民的コンセンサスになっているといって良い。

送電線や変電所に近い学校から、子供を転校させる親が増えており、携帯電話の使用も控えられているばかりか、携帯電話基地局の建設も住民の反対が強く、僅か15%程度しか建設できない状況になっている。

その様な米国であるからこそ、94年4月の「米・物理学会声明」や今回のような「NRC声明」の出る背景を理解することができるのである。

日本では長い間マスコミの報道がなかったこともあって、多くの国民が知り始めたのは本当に最近のことなのだ。
 声明の根拠になった報告書のどこを読んでも「安全である」とは書かれておらず、あれこれ論文にケチを付けているとしか思えない内容なのに私はガッカリした。

携帯電話や電子レンジのマイクロ波などは検討対象にはしていない、と報告書には書かれているにも関わらず、「・・・電子レンジは無罪」と読売新聞(関西版)は報じていた。

共同通信の配信にワルノリしつつ、拡大解釈して電磁波影響問題への関心を抑えようとしているように思えてならないのだ。

声明文は報告書の要約であろうが、あくまで一部でしかないのである。
 米科学アカデミー(NAS)は1863年に設立された、日本の学士院の様な組織だ。

米議会や連邦政府などからの諮問に答えるためもあって、1916年にNRCを設立した。

その後、NRCには米工学アカデミーと医学研究所が参加しており、約6千人の会員がいる。NRC内には幾つもの委員会と部会があり、今回の声明・報告は、生命科学委員会(20名で構成)、放射線効果研究会(BRER:10名で構成)、NRC内に組織された「生物系の電磁場における影響の可能性」小委員会(16名で構成)が共同でまとめたものである。

主な作業は小委員会が担当し、相互に連絡し合いながら作成され、依頼もとであるエネルギー省の責任者も参加・協力している。
 79年のワルトハイマー論文以降の17年間に発表された疫学研究を中心に約500件の論文を調査・検討したのだそうだが、引用文献を調べると、96年の文献は僅か2件であり、それも米国電気電子学会のものばかりであった。

一番重要であるはずの小児ガンなどの論文は、94年のものが1件だけなのに私はびっくりした。

94年秋ごろから極めて重要な論文が急増しているにも関わらず、それらは全て無視されているのである。