・◆アレルギー反応における免疫担当細胞の役割
多くのアレルギー疾患は,アレルギーの原因物質である抗原に特異的に反応するIgE抗体が重要な働きをしています。
IgE抗体は肥満細胞の表面に結合しますが,再び抗原が侵入してIgE抗体と結合すると,肥満細胞に含有されるヒスタミンなどの化学伝達物質が放出されて,かゆみ等のアレルギー症状が現れます。
図1に,最もよく知られているアレルギー反応の概略図を示しました。
アレルギー反応には,複数の免疫担当細胞が関与していますが,反応の起点を担っているのが抗原提示細胞です。抗原提示細胞は,炎症局所で抗原を取り込み,所属リンパ節に遊走して,T細胞にその情報を提示します。
そして,抗原特異的なTh2タイプの細胞が増殖し,Th2サイトカインと呼ばれる液性タンパク質が産生されると,B細胞が活性化され,IgE抗体が産生されます。
また,Th2サイトカインや炎症局所の上皮細胞などから産生されるケモカインは,炎症細胞である好酸球や肥満細胞の活性化を誘導します。
これにより,アレルギー反応が引き起こされ,先に述べたアレルギー症状が現れます。