微生物由来揮発性有機化合物の皮膚に及ぼす影響 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・ミニシンポジウム33
アレルゲン・抗原と症例2
座長:石井 彰1), 宗田 良2), 安枝 浩3)(東京学芸大学保健管理センター1), 国立南岡山医療センター内科2), 国立病院機構相模原病院臨床研究センター3))

MS33-#2.微生物由来揮発性有機化合物の皮膚に及ぼす影響に関する基礎的研究

臼田春樹1) 田中宏幸1,2) 遠藤拓未2) 山下弘高1,2) 稲垣直樹1,2) 永井博弌2)
岐阜大学大学院連合創薬医療情報研究科1) 岐阜薬科大学薬理学2)


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【目的】近年,微生物由来揮発性有機化合物(MVOCs)とシックハウス症候群(SHS)との関連性が示唆されている.

しかし,MVOCsが皮膚に及ぼす影響については不明である.

そこで本研究では,マウスを用いて皮膚に対するMVOCsの起炎性を評価した.

また,演者らはこれまで,SHSの原因物質の一つであるホルムアルデヒド(FA)をマウス耳介に反復塗布することにより,特徴的な皮膚炎が生じることを明らかにしてきた.

そこで,MVOCsのFA誘発皮膚炎に及ぼす影響についても検討を行った.

【方法】アセトンに溶解した各種MVOCs(3-methylfuran,1-butanol,3-octanone,2-methyl-1-butanolおよび3-methyl-1-butanol)の10%溶液,あるいは2%または1%のFAと10%の各種MVOCsを混合した溶液をマウス耳介に,週1回計5回反復塗布し,塗布前後の種々の時間に耳介腫脹を測定した.

【成績】いずれのMVOCsを塗布した群においても耳介腫脹は認められなかった.

一方,3-methylfuran以外のMVOCsと1%または2%のFAを塗布した群では,FA単独塗布群に比し,耳介腫脹反応の有意な増強が認められた.

【結論】MVOCsは,起炎物質によって引き起こされる皮膚炎を増強させることによって,SHSの発症または増悪に関与する可能性が考えられる.

第59回日本アレルギー学会秋季学術大会 2009年10月開催