・Q23.室内空気質は、どのように健康と関係があるのですか。
A
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掃除や換気が不十分な場合、室内空気中にはアレルゲンとなるカビやダニなどのほか、建築物や家具等から発生したごく微量の化学物質が存在し、人体に悪影響を及ぼす可能性がある。
Q24.室内の空気汚染と喫煙の関係はありますか。
A
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事務所室内に浮遊している粉じんの30~80%は、たばこの煙に由来するといわれる。
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たばこの煙は主流煙(吸い口から吸い込まれる煙)と、副流煙(火のついた先から立ちのぼる煙)にわけられる。
主流煙と副流煙に含まれる成分を比較すると、副流煙には主流煙と比較し、ニコチン、タ-ル、一酸化炭素などの有害物質が3~5倍多く含まれている。喫煙者の周囲にいる人は、この副流煙と喫煙者の吐き出す煙(呼出煙)の両方が混ざった空気を吸っていることなる。
(参考)
『健康増進法』(平成14年法律第103号)で、「多数の者が利用する施設を管理する者は、これらを利用する者について、受動喫煙を防止するために必要な措置を講ずるよう努めなければならない」と定義されている。
空間分煙が必要。
『健康増進法』
第二十五条 学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、事務所、官公庁施設、飲食店その他の多数の者が利用する施設を管理する者は、これらを利用する者について、受動喫煙(室内又はこれに準ずる環境において、他人のたばこの煙を吸わされることをいう。)を防止するために必要な措置を講ずるように努めなければならない。
Q25.なんとなく空気がよどんでいる感じがすると言っています。どのような指導が必要ですか。
A
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こまめな換気を心がけること。
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建物の設計上、空気の滞留箇所が出来ることがある。この場合、施行業者に
相談すること。
Ⅴ. 周辺環境に関する相談
Q26.患者さんの隣の家がよく殺虫剤の散布を行うとのことで、身体に影響がないか心配しています。
A
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法的な意味では殺虫剤の散布の規制は難しい。ただ、薬剤使用の取り扱いについては法律で規定されており、その中で、環境衛生上不適切な状態をもたらしてはならないとされている。
この法律は、薬剤の散布による健康被害をもたらすことのないように充分な配慮を求めており、隣家の方とよく話しあうことを勧める。
その際に薬剤等の影響は非常に個人差があることも話し、理解を求めることも重要。
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話し合いが感情的にならないように中立の第三者を立てて話しあうことも一考である。
(参考)
『農薬取締法』(昭和23年法律第82号)第12条第1項の規定に基づく農薬を使用する者が遵守すべき基準を定める省令(平成15年農林水産省・環境省令第5条)第6条において、農薬使用者は、住宅用に供する土地及びこれに近接する土地において農薬を使用するときは、農薬が飛散することを防止するために必要な措置を講じるよう努めなければならない旨が規定されている。
『平成15年農林水産省・環境省令第5条』
第6条 農薬使用者は、住宅用に供する土地及びこれに近接する土地において農薬を使用するときは、農薬が飛散することを防止するために必要な措置を講じるよう努めなければならない。
また、「住宅地等における農薬使用について(15消安第1714号 農林水産省消費・安全局長通知)」においては住宅地等に隣接する土地・施設等での農薬使用にあたっての遵守事項が定められた。
Q27.防蟻処理後に胸が痛くなったり、眠くなるなどの症状があ留との訴えに対しての指導法は。
A
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防蟻処理剤は毒性の強いものもあり、使用された薬品を業者に確認し、近医への相談を勧める。
Q28.患者さんが住居周辺で農薬・ごみ・焼却・異臭などで体調の変化を感じています。どう対応したらよいでしょうか。
A
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それぞれの担当部署に相談する。
農薬:各自治体の農政担当部局
ごみ・焼却・異臭:各自治体の環境担当部局
Ⅵ. 周囲の人への理解の求め方
Q29.患者さんが「気持ちの面で過敏になりすぎているのではないかと不安です。」と訴えています。どのようにしたらよいですか。
A
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不安が過度になると、何らかの対策を必要としている状態といえる。
いつも不安な気持ちで何も手につかないような場合は、専門家(精神科医や心療内科医、カウンセラー)に相談されることを勧める。