SHS診療マニュアル5 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・シックハウス症候群は医療面から問題になる以前に社会的な問題になった。特に家屋の新築、増改築、リフォームなどをきっかけに発症したと訴える患者が多く出たため、患者・家族と建築会社の間でトラブルになるケースが続出した。

そのため建築業界の中でもシックハウス症候群に伴うトラブルを避けるためにはどうすればいいかという動きも出た。

業界専門紙(建築知識 第43巻第3号、2001年3月発行)にも「シックハウス完全対策バイブル」という特集が組まれている。

文字通りシックハウス-家が病んでいる-状態になるのをどう
避けるのかという視点からの対策である。

上記13物質について居住環境指針値を遵守する家を建てなければならないというのは建築業界の常識になったといっても良い。

このうち特に問題となることが多いのはホルムアルデヒド、トルエン、キシレンの3物質であるが、中でもホルムアルデヒドについては建材からの発散量に応じて使用量が制限されるようになった。


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・この規制が導入されてから新築された家で、ホルムアルデヒドが居住環境指針値を超えることは少なくなった。またシックハウス症候群を疑う患者の居住環境調査をしてみても、ホルムアルデヒドのみではなく他の物質についても指針値を超えることは最近ではほとんど無い。

唯一例外はp-ジクロロベンゼンであるがこれは防虫剤として使用されていることから、居住環境から取り除くことが可能である。

しかし今も多くの人がシックハウス症候群を疑って専門医療施設を受診している。

化学物質濃度の面からだけではなく、心理的、あるいは社会的要因を考慮して診療に当たるべきかもしれない。