2011年10月11日 13:48
<メッカ「福山町」のリーダー>
坂元醸造(株)は、福山町を拠点とするつぼ造りの黒酢市場でおよそ6割から7割のシェアを誇っている。
1966年に薬局ルートに配荷。
その後「黒酢」のブランド名で全国展開を開始した。
これまで、東京農業大学、九州大学、東京大学や鹿児島大学などと共同で黒酢の発酵・機能性研究を継続的に行ない、常に黒酢市場を牽引してきた。
昨年開催された第19回日本医療薬学会年会では、「壺づくり黒酢が薬物代謝酵素およびトランスポーターの発現に及ぼす影響」と題した研究が、北海道大学大学院薬学研究院の柴山良彦准教授によって論文化された。
また同社は、福山町内の醸造元7社で結成する「鹿児島県天然つぼづくり米酢協議会」でオピニオン・リーダー的な役割を担うなど、福山ブランドの認知向上に貢献してきた。
同社のメイン商品である『坂元のくろず』(1000ml・税込2,520円)は、つぼ畑に並べられた陶器の壺に米と麹と天然の地下水のみを仕込み、1年以上かけて発酵・熟成させた壺づくり純米黒酢。ほかにも、2年以上熟成させた『坂元のくろず 薩摩』(700 ml・税込2,940円、360ml・税込1,575円)と、3年以上熟成させた『坂元のくろず 天寿』(720ml・税込5,040円、200 ml・税込1,575円)がある。
錦江湾を見下ろす霧島市福山町にある工場には、54リットル入りの壺約52,000本を配置している。
同工場は2006年12月、国際認定規格ISO 9001を取得している。
04年からは有機JAS認定の黒酢『坂元の有機くろず』(700 ml・税込2,310円、360 ml・税込1,260円)も販売しているほか、坂元のくろずをベースにガラクトオリゴ糖、りんご果汁などを配合した特定保健用食品『天寿りんご黒酢』(700ml・税込2,992円、360 ml・税込1,575円)がある。
同品は九州の食品メーカーとしては初めて特定保健用食品の許可を受けた商品である。
さらに、栄養機能食品『坂元のくろず&カルシウム』と『坂元のくろずC末』。
また、イチョウ葉抽出エキスを主原料とした『坂元のくろずイチョウ葉』などを展開している。
ほかに、もろみ末配合商品として8品目となる『坂元の黒酢紅麹』(460㎎×90粒・3,990円)は、「純米黒酢もろみ末」と「紅麹粉末」を配合したサプリメントで、ソフトカプセルタイプのため食酢特有の酸味が苦手な人でも気軽に摂取できる。
以上、見てきたとおり長い歴史を背景に同社の有するラインアップは豊富だが、サントリーウエルネス(株)が販売する『黒酢にんにく』の原料が坂元醸造の黒酢であることを知る人が多いように、OEM・バルク供給も行なっている。
特に最近原料の不足がささやかれているもろみ末は、同社内の工場で粉末加工まで一貫して行なっているため、安全性が高く高品質を保っている。
(つづく)
【田代 宏】
runより:今回はここまでです。黒酢も一大産業ですね。