・「出典」APEC 環境技術交流バーチャルセンター
http://www.apec-vc.or.jp/j/
・【揮発性有機化合物(VOC)】
尾崎博明
揮発性有機化合物(VOC)
揮発性有機化合物(VOC:Volatile Organic Compounds))とは、日本の大気汚染防止法による定義では、「大気中に排出され、または飛散した時に気体である有機化合物」とされている。
ただし、浮遊粒子状物質及びオキシダントの原因にならない物質として政令で定められている物質(メタン及びフロン代替物質)は除かれている。
代表的なVOCとしては、トルエン、キシレン、酢酸エチルなど約200種類あり、このうち環境省では、100物質をリストアップしている。
VOCは、紫外線照射下でNOxと反応して光化学オキシダントを生成するほか、大気中に排出されたVOCが光化学反応などにより粒子化する“SPM(浮遊粒子状物質)の二次生成粒子”に関与する。
SPMは極めて微細であるため大気中に長期間滞留し、肺や気管に沈着して呼吸器に悪影響を与えるとして問題になっている。
このような状況に対し、EU、イギリス、ドイツなどの欧米諸国では、2010年までに1990?2000年比で30~70%削減(国により時期と削減率が異なる)を目指して既に法規制が行われている。
日本でも、有害大気汚染物質の指定物質としてすでに排出抑制基準が定められているベンゼン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンに加えて、2004年の大気汚染防止法改正に伴いVOC排出抑制の取組み(排出規制と事業者の自主的取り組み)の施策が施行されている。
日本の削減目標は、工場等の固定発生源からVOC排出総量を、2010年度までに2000年度比で30%程度抑制することである。