アレルギー疾患対策の現状と問題点9 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・2 今後のアレルギー疾患対策について
(1)アレルギー疾患対策の基本的方向性
ア 今後のアレルギー疾患対策の目標
○ 最終的目標
国のアレルギー疾患対策の最終的な目標としては、アレルギー疾患に関して、予防法及び根治的治療法を確立することにより、もって国民の安心・安全な生活の実現を図ることにある。しかしながら、現時点において、最終的な目標を達成するためには、長期的な研究による成果が必要である。一方、従来実施されてきたアレルギー疾患対策によっても、先に述べたような医療の提供等に関する課題、情報提供・相談体制の確保に関する課題及び研究開発等の推進に関する課題が指摘されており、まずはこれらの問題の解決に向けて、当面の目標を定め、アレルギー疾患対策を効果的に講じる必要がある。
○ 当面の目標
当面の目標としては、アレルギー疾患を「自己管理可能な疾患」にすることにより、一層対策を推進することを目指すべきである。このため、身近なかかりつけ医を始めとした医療関係者等の支援の下、患者及びその家族が必要な医療情報を得ることや相談を受けることによって、治療法を正しく理解し、生活環境を改善し、また自分の疾患状態を客観的に評価する等の自己管理を的確に行えるような環境を整えることが不可欠である。
イ 国と地方公共団体との適切な役割分担と連携体制の確立
上記アレルギー疾患対策の目標が達成されるためには、国と地方公共団体、関係団体等との役割分担及び連携が重要となる。国と地方公共団体の役割分担については、アレルギー疾患の特性及び医療制度の趣旨等を考慮すれば、基本的には、都道府県は、適切な医療体制の確保を図るとともに、市町村と連携しつつ地域における正しい情報の普及啓発を行うことが必要である。

一方、国は地方公共団体が適切な施策を進めることができるよう、先進的な研究を実施しその成果を普及する等の必要な技術的支援を行う必要がある。また、このような行政における役割分担の下、厚生労働省は患者団体、日本医師会、日本アレルギー学会、日本小児科学会等関係団体並びに関係省庁と連携してアレルギー疾患対策を推進していくことが必要である。
ウ 当面の方向性
○ 医療の提供等
アレルギー疾患の多様性に鑑み、かかりつけ医と専門医療機関間のみならず、かかりつけ医間、専門医療機関間における円滑な医療連携体制の確保を図る。医療連携体制において中心的役割を負う、かかりつけ医が担うべき役割を明確化し、診療ガイドラインの普及及び診療ガイドラインに基づいた適切な治療を行う上での基本的診療技術(日常診療上、必要不可欠で適切な技能や知識を指す。)の習得を推進するとともに、各医療職種の人材育成の推進を図り、アレルギー疾患患者に統一的、標準的な治療が提供できる体制の確保を目標とする。
○ 情報提供・相談体制の確保
国及び地方公共団体は、患者を取り巻く生活環境等の改善を図るため、アレルギー疾患を自己管理する手法等の普及・啓発を図るとともに、関係団体や関連学会等と連携し、その手法等の普及啓発体制の確保を図る。
○ 研究開発及び医薬品等開発の推進
難治性アレルギー疾患に対する治療方法の開発とその普及に資する研究を推進するとともに、適切な医療が提供できる医療体制の確保に資する研究を推進する。