『茶のしずく』問題座談会3 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・『茶のしずく』問題座談会(中)~悠香は早く「謝罪と自主回収のCM告知」を!
2011年10月22日 07:00
出席者(五十音順)
『茶のしずく』石鹸被害救済東京弁護団 団長 神山 美智子 氏
(独)国民生活センター 商品テスト部 管理課長 河岡 優子 氏
国立病院機構 相模原病院 臨床研究センター 福冨 友馬 氏
聞き手 データ・マックス ヘルスケア事業部 山本 剛資


<使用感の良さを認める被害者もいるが...>

 ――次に「グルパール19S」が入った加水分解コムギ末は、なぜ使用されたのか。

この成分を開発したのは片山化学工業研究所で、それを原料に石鹸を製造したのはフェニックスという会社です。

石鹸の発売元の悠香の責任もそうですが、片山化学工業研究所とフェニックスの責任はどうなんでしょうか。

 神山 フェニックスは石鹸を製造した会社ですよね。

石鹸で洗顔したらアレルギーを発症したわけですから、石鹸をつくった会社にも責任が生じるのは当たり前の話ですが、原料メーカーの片山化学工業研究所は何の目的でこの成分を開発したのでしょうか。

 福冨 開発の経緯に関しては承知しておりませんが、使用感が良かったからこの成分が茶のしずく石鹸に添加されたということは聞いております。

 ――いずれにしましても『茶のしずく』は発売以来、4,700万個も売れたわけですから、それなりに商品価値を認めて購入を続けていた人も少なくないようです。

 福冨 たしかに長期に使っていた方に聞いてみると、「良かったから使用を続けた」と言っていますね。

患者さんのなかにも、使い出した当初は肌の調子が良くなったので続けた、という話は聞きます。テレビCMのイメージで、そう思い込んでいるのかもしれませんし、本当に石鹸の使用感が良かったのかもしれませが、私にはどちらかはわかりません。

 神山 CMのフレーズにある「あきらめないで...」とは何を指しているのかわかりません。宣伝の仕方に問題があるように思います。

有名な女優さんを起用していますが、あの方は実際には『茶のしずく』を使ってはいないんじゃないですか。

一般のCMにも言えることだと思いますが、"売らんかな"といった姿勢が見え見えです。

CMの作り手、送り手のモラルをもっと自覚してほしいですね。

ただ、法的責任になるかどうかについては検討してみないといけませんが、過去には豊田商事事件のように消費者を騙す目的で広告を行なった場合、広告塔としての責任を追及する裁判が行なわれています。

 河岡 国民生活センターに相談を寄せられる方のなかには、購入のきっかけとして「CMを見て」だとか「チラシを見て」という人が少なくありませんし、友人などからのプレゼントでもらったという例もありました。

また、まとめて買うと安くなることもあり、ご近所の方々と相談してまとめ買いしたとか、職場で共同購入したという例もありました。

 ――4個買うと値段が半分になります。

マルチ商法ではありませんが、なかには大量購入して友人に販売して利益をあげていた人もいたようです。

ですから、悠香からのDMは注文したユーザーにしか届きませんので、末端ユーザーには、どうしても情報が行き届かなくなります。

自主回収の情報も知らされていないのではないでしょうか。

 次に皆様にお配りした資料のなかに「悠香の沿革と事件の経緯」をまとめてありますが、これを見ると、2010年10月15日に厚労省が注意喚起の通知を出しており、翌2011年5月20日に悠香は自主回収に踏み切っていますので、この間の7カ月間は販売が続けられていたわけです。

 神山 悠香は厚労省の通知が出た2カ月後の2010年12月にDMや電話で一部のユーザーに対して回収を呼び掛けていますが、本来なら厚労省の通知がでた時点で全面回収を行なうべきだったのです。

先程の話にもありましたように、まとめ買いやプレゼントで利用者は末端に広がっていたわけですから、テレビCMや新聞広告を打つなりして、末端の利用者に対して回収を呼び掛ける必要があったはずです。

被害者のなかにはアレルギー症状が出てからも原因が石鹸だとは思わず、使い続けていた人がいます。

少なくとも「石鹸でアレルギーが発症する」という事実を知らせる義務はあったと思います。