・規制を急ぐ必要性
特に食品においてナノ粒子の使用を規制することは、国際的に厳しい状況になっている。
「ナノ物質の定義については、いくつかの国が独自の定義を発表しているものの、はっきりと決まった定義は実のところないのだ」と、カントックス・ヘルス・サイエンスの科学/規制上級コンサルタントであるBernadene Magnusonは食品安全性ニュースに対して語った。
食品の法規制に関するセッションでMagnusonは、北米やその他の地域の食料安全当局は特定の特性を持つナノ物質の安全性評価をさらに行うよう要求するかもしれない、と科学者たちに説明した。
「安全性評価の対象になるのは、人間の体内または環境中に残留し、生物濃縮する可能性のあるナノ粒子、化学・生物反応性の高いナノ粒子、複雑な形状・構造、複雑な変化を遂げることができるナノ粒子などである」と、トロント大学医学部栄養科学科の非常勤教授でもあるこの国際専門家は解説した。
「しかし、監視・規制する上で重要な問題となるのは、ナノスケールで特性や現象が新たに生じる、または変化することによって、ナノ粒子の特定の応用によるリスクと利益がどのように生まれる、または変化するのか否か、ということである」。
彼女はまた、潜在的な健康・環境問題など全くないと証明するために実施すべき安全性テストがまだ残されている、と言っている。ホワイトハウスも彼女の意見に賛成のようだ。
「ナノ物質が良いか悪いか裏付ける科学的証拠がない限り、その本質についての判断または断定をすべきではない。
そして規制措置は、そうした科学的証拠に基づいて行うべきである」と、ホワイトハウスは今月初め、FDAや農務省(USDA)など全省庁の長に対しナノ政策の最新情報を長々と説明した際に、ナノ物質のあらゆる応用の監視について述べた。