・出典;化学物質問題市民研究会
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/index.html
・ECHA プレスリリース 2009年6月2日
欧州化学物質庁(ECHA)
7種の非常に高い懸念のある物質(SVHC) の厳格な管理を勧告
訳:安間 武 /化学物質問題市民研究会
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2009年6月8日
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http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/eu/reach/ECHA/090602_ECHA_Press_Strict_Control_7SVHC.html
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欧州化学物質庁は非常に高い懸念のある化学物質は特定の認可なしに使用されるべきではないことを勧告する。
勧告された物質のうち3種は生殖毒性、1種は発がん性に分類され、3種は残留性、生物蓄積性、有毒性(PBT)又非常に高い残留性及び非常に高い生物蓄積性(vPvB)の基準を満たす。
”私は、この認可のための最初の科学ベースの勧告を重要なマイルストーンとして見る。人の健康と環境の保護はREACHの心臓部であり、これらの7つの問題ある物質の使用を認可の対象とすることは、その目標に我々を一歩近づけるものである”とEHCA長官ギールト・ダンセットは述べた。
認可プロセスは非常に高い懸念のある物質は適切に管理され、それらの物質は漸次、代替されることを確実にすることを求めている。
15物質のリスト(訳注1)の中から、それらの有害特性、使用量、及び人又は環境の暴露の可能性に基づき、ECHAは7物質を優先させた。
ECHA は本年の初めに実施されたパブリック・コンサルテーション(訳注2)の期間中に関心ある組織から提出されたコメントを考慮した。ECHA はまた、これらの7物質の優先に関するECHAの見解を共有する加盟国委員会(Member State Committee)の意見を考慮に入れた。
これらの物質を認可リスト含めることの最終決定はコミトロジー手続き(精査による規制手続き)(訳注3)を経て欧州委員会によってなされるであろう。
このリストにある物質は将来、特定の目的のために”認可”された時にのみ、EU内で使用することができる。
7種の物質:
ムスクキシレン:(vPvB)
例えば、洗剤、織物柔軟剤、織物仕上げ剤などに使用される芳香強化剤
4,4’-メチレンジアニリン(4,4’-Diamino diphenyl methane (MDA)):(発がん性)
例えば、エポキシレジンや接着剤などに使用される硬化剤
短鎖型塩化パラフィン(short chain chlorinated paraffins; SCCPs):(PBT 及び vPvB)
難燃剤及び/又は高機能ゴム、シーラント、塗料、織物コーティングなど様々な応用での可塑剤
ヘキサブロモシクロドデカン(HBCDD):(PBT)
例えば、ポリスチレン中で使用される難燃剤。ポリスチレンはさらに断熱パネル/ボード、包装材料、織物の製造プロセスで使用
フタル酸ジ(2-エチルヘキシル) (DEHP):(生殖毒性)
例えば、床材、屋根材、コーティングされた織物、医療器具、医療製品の一次包装、さらに例えばシーラント、接着剤、インクなど様々な調剤、などにおける広範なPVC及びその他のポリマーの応用での可塑剤
フタル酸ブチルベンジル(BBP):(生殖毒性)
例えば、ポリマー製品、及び特に床材のためのPVC、織物及び皮製品のコーティング、さらにはシーラント、コーティング、インク、接着剤などに用いられる可塑剤
フタル酸ジ-n-ブチル(DBP):(生殖毒性)
特に様々なポリマー(PVC/非PVC)での応用(床カバー、医療製品一次包装など)、及び接着剤や塗料などの様々な調剤の成分に用いられる専門的な可塑剤