頑張ってま~す。2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・本格的にこのバーが始まるのが23時頃で、騒ぎ出すのが未明の時間帯ですから、市としても現地調査が難しく、しばらくは警察から状況を聞くことで対
応していました。
しかし、対応と言いましても、その都度店長に苦情があったことを伝えて注意するだけの、申立人にとっては歯痒い指導を繰り返していたように思います。
そして、平成17年当時のある時期に、これまでは
時々だった申立人からの連絡が、頻繁に入るようになりました。

それから毎週月曜日8時半の朝礼時、申立人からの「和田さんいますか?」の電話から始まる一週間が続くようになったある日、見かねた当時の私の上司が、申立人宅を訪問し、「あなたが番うるさいと感じる時間に測定をします。」と断言しました。
それを隣で聞いて私は、「がんばれ上司!」と思いましたが、その上司は、私にそっと緊急用の携帯電話を持たせてくれて、「騒音計と携帯電話を毎日持
って帰れ!」と不気味にほほ笑みました。
「行けない時は仕方がない」という条件付きではありましたが、それから私は、毎日緊急用の携帯電話を持ち帰り、枕元に携帯電話と騒音計を置いて寝る日々が続きました。
それから3か月ほど経ったある土曜日の深夜3時頃に、申立人から「今、最高にうるさい」という連絡が入りました。
私は、携帯電話を毎日枕元に置く日々を終わりにしたい一心で、「すぐ行きます!」と返答したあと、何の躊躇もせず上司に電話し、「一緒に行きましょう」と誘いました。
上司もすぐ現場に来てくれました。

それから上司と一緒に騒音測定を始めたのですが、通りで騒ぐ酔っ払いや自動車の音を除外するのに大変苦労をしましたが、何とか騒音測定を行うことができたことで基準値を大幅に超過している現状を数字で示すことができました。
そして何より行政指導から法令に基づく指導にシフトしたことが、解決に向けて大きく前進したことだと思っています。

その後店長は防音対策として、壁にボードを貼り付けたり、二重扉と二重サッシを施したりしたことで、申立人の満足を得ることができました。
私としては、毎日緊急用の携帯電話を持ち帰り、いつ呼び出しが来るか分からない日々を過ごした期間と、解決に向けて大きく前進した深夜の騒音測定が、頑張ったと思えることとして心に残っています。
最後に、これまで私はいろいろな上司、先輩、後輩と一緒に苦情対応してきました。
その中で、問題(苦情)解決という目的のためには、いろいろな手段や話し方でのアプローチがあるのだと認識していますが、最良の手法というのは、その担当者の年齢、性格、役職など、極端に言えばその人を構成するすべての要素をうまく活用したオリジナル手法を磨いていきながら確立していくものだと思います。
言い方を変えれば、他人の手法を真似ても、うまくいくとは限らないものだと感じています。
この課に配属され、公害苦情処理の業務に携わるようになり、私自身も傾聴、要約、共有などの手法を活用し、それぞれのケースや相手によってアプロ
ーチの仕方を考えたり、手法を使い分けたりすることができるようになってきました。
そして、これまでの経験から得たもので、苦情対応をする上で私自身が大切にしている基本精神があります。

それは、「熱意」と「理論」です。

この熱意というのは、問題を真剣に考えている姿勢につながり、相手との信頼関係を築く上で、とても重要な要素だと思っています。
また、熱意だけでは問題を解決することができないことは言うまでもなく、そこに法律に基づく正しい知識や、問題解決までの過程などをロジカルに説明できる考え方が必要です。
行政という立場で、苦情を解決するため、発生源と申立人を納得させることや、できることとできないことがあることの説明をする上で、今の私にとっ
ては「熱意」と「理論」が最も重要な基本精神であると思っています。
この2つが大切であり、そのどちらかが欠けても、バランスを崩してもうまく行かないのです。
また、この先仕事だけでなくいろいろな経験を重ねていくわけですが、これからの経験の中からも何かを見いだしていけるように頑張っていきたいと思います。


runより:お役所もこういう対応をしてくれたら市民に好かれる役所になると思います。「熱意」と「理論」、私もそう思って活動してるので共感しました。