農薬の被曝と中毒の臨床3 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・燻蒸剤と抗線虫剤
 リン化アルミニウムは,酸素や水と反応し,ホスフィンガスを発生する.

ホスフィンは,チトクロームオキシダーゼと反応することで細胞を傷害する.

ホスフィンの検出は,比色管か直読モニター機器で行う.

ホスフィンの被曝は,胃腸,心肺,中枢神経系などに非特異的な症状をが現わす.動物実験では,肝腎の異常が報告されている.

疫学的には,プロト発癌遺伝子を持つ染色体の異常や非ホジキンリンパ腫の頻度の増加が報告されている.
 臭化メチルは,肺,肝,腎障害のみでなく,発作のような急性の中枢神経障害を引き起こす.

血中臭素濃度が,1 mmol/l となるような被曝量は致命的である.

致命的でない被曝量でも,非可逆的中枢神経障害を負うこともある.

臭化メチルには有効な解毒剤はなく,長期治療が必要とされる.


除草剤
 2,4-ジクロロフェノキシ酢酸およびその誘導体は,皮膚,肺を刺激しまた,発汗,頻脈,アシドーシスなどの全身症状を引き起こす.

末梢神経障害のケースもいくつか報告されている.動物実験では,ある程度の発癌性が示されている.

また,疫学的には非ホジキンリンパ腫との関係が見出されている.


ビピリジル系化合物
 ビピリジル系化合物は,接触により局所刺激反応が起こる.

飲み込んだ場合は,胃腸障害に続いて肝腎障害を起こし,最後に肺線維症を起こす.

パラコートはマウスにパーキンソン病様変化を誘発するメチルフェニールテトラヒドロピリジンと構造が似ていることから,パーキンソン病との関連が疑われている.

治療には,ベントナイト,フラー土,活性炭の使用や,吸収剤使用後にソルビトール下剤処置を行う.

酸素は使用するべきではない.


runより:有機リンの話が出ましたが、実は毒ガスサリンの原料でもあります。

しかも農薬とほとんど製造工程が近いです。

怖い物だと認識が広まってほしいと思います。