燃焼毒性学という考え方2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・二酸化炭素と一酸化炭素の発生の割合は, 燃焼する物質によるのではなく, 燃焼の状態により変化し, さらに, 換気の状態によっても変化する.

よく換気された状態では, 全て二酸化炭素になる.

二酸化炭素そのものの毒性は極めて低いが, 燃焼毒性では, 非常に重要な意味を持つ. 二酸化炭素には, 呼吸の回数を増やし, 深くする作用があるため, 毒性物質が存在する場合, その吸入を促進するのである.

二酸化炭素と一酸化炭素を同時に吸入した場合の毒性はげっ歯類を用いてかなり検討されているが, その影響は主に二酸化炭素による呼吸性アシドーシスと一酸化炭素による代謝性アシドーシスである.
 シアン化水素は, 燃焼する物質および燃焼温度に依存して発生する.

つまり, 窒素を含む物質が比較的高温で燃焼した場合に発生が認められる. シアン化水素は一酸化炭素の約25倍の毒性がある.

最初は血液中に存在するが, 一酸化炭素と異なる点は, すばやく体内の体液中にも移行し, 組織中の細胞に接触することである.

その毒性発現の原因となるのは血中で発生するシアンイオンで, チロクロームオキシダーゼと結合したり, メトヘモグロビンからシアン化メトヘモグロビンを形成したりする.

チロクロームオキシダーゼはあらゆる細胞において酸素を利用する際の中心的役割を果たす酵素である. この酵素がシアンイオンにより阻害されると, 細胞機能が障害され, 細胞死に至ることもある.

特に心臓と脳は感受性が高く, 心悸亢進, 不整脈, 中枢神経の抑制などが認められる.

また, シアン化水素は過呼吸を引き起こすため, 一酸化炭素が存在する場合, その毒性もまた増悪してしまう.
 ハロゲン(フッ素, 塩素, 臭素)を含むポリマーは, 熱分解する温度に達した場合, 含まれる物質に依存してハロゲン酸を発生する.

塩化水素は, ポリ塩化ビニルが分解されて発生し, この酸には感覚器の刺激性と肺に対する強力な刺激性がある.

塩化水素に 75~100 ppm の低濃度で曝露されても, 眼および上部気道に強力な刺激を与えるため, 逃げることができなくなると考えられる.

塩素および臭素を基にした難燃剤からもハロゲン酸が合成され, また, フッ素重合体からフッ化水素が合成される.

しかし, 塩化水素に比べ, フッ化水素や臭化水素の毒性はあまり調べられていないのが現状である.