有害化学物質が男性生殖機能に及ぼす影響3 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・ 男性の精子数が減少しているという報告が1992年になされて以来,様々な議論を重ねているが,本当に減少しているのかデータの収集や解析による誤差なのか判断は非常に難しい.それは精子数に影響を与える様々な要因が多いからである.
 男性の生殖機能を適正に評価できる指標はなく,また, いくつかの指標を組み合わせて男性の生殖機能の障害を評価できる方法もない.

現在, 実験動物を用いて調べる方法や,病因論的,疫学的に調べる方法,また遺伝的な障害のマーカーとなる遺伝子や染色体異常を調べる方法などが検討されている.
 有害な環境化学物質が発育中の男性に曝露されると男性生殖機能に影響を与えるという報告は豊富にあるのだが,どのような作用機序で,どの物質がどのような生殖機能に影響を与えたかというような詳細なデータはほとんどない.

そのため,臨床医や病因論学者は,焦点を当てるべき物質は何か,また,有害物質の曝露をどの様に防ぐか,基礎化学者と共同で対応していくべきである.そのためには,化学物質の有害性に順位を付けること,男性生殖機能の影響の程度を厳密に調べること,研究および臨床的にも用いることのできる曝露と男性生殖機能の障害の指標となるバイオマーカーを開発すること,野生動物,実験モデル,病因学など様々な研究分野の研究を促進すること,実験方法やサンプルの保存方法などの方法の統一の重要性を認識すること,この5点が重要となると考えられている.

男性生殖機能障害を防ぐために,問題点のより深い認識,障害の発生機序の理解,また,指標となるマーカーの開発を目指して進んでいくべきである.


runより:世界の人口が70億を超えたそうですが、先進国では減少しています。

日本の少子化問題の一端にあたるかもしれない問題です。