蚊取り線香成分の残留性 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・出典:食品・薬品安全性研究ニュース
http://www.jpha.or.jp/jpha/jphanews/anzensei.html
・蚊取り線香成分の残留性
 本報において著者らは, 蚊取り線香を連日使用した時, その主成分である D‐トランス‐アレスリンが室内にどの程度残留し, さらにそれが, どの様な速度で消失するかについて検討し, 主成分の残留は床面で最も強く起こることならびに使用を中止すると比較的速やかに消失することを明らかにした.
 実験には 3 m×3.5 m×2.5 m (26.2 m3 = 約6.5畳) の室内で, D‐トランス‐アレスリンを主な薬効成分として0.2% (wt) 含有する市販蚊取り線香 (直径 12 cm, 全長 83 cm, 重さ 14.0 g) を, 毎日午後8時から8時間, 30日間連続で薫蒸した. 室内は 25 cm 四方のポリエチレンの壁紙で一面に覆い, 床, 壁, 天井のそれぞれの面から, 毎回壁紙4枚中の残留物質量を測定した.

部屋は閉め切りにした条件と窓と扉を昼間1日14時間にわたって開放した条件の2種類を設けた.
 その結果, 床, 壁, 天井とも薫蒸日数が増すにつれ, 残留アレスリン量は徐々に増加し, 部屋を閉め切りにした条件では30日目には床で 184.52 mg/m2, 壁では 170.72 mg/m2, 天井では 148.63 mg/m2 に達した.

いずれの測定時点でも, 開放された部屋では閉鎖された部屋より残留アレスリン量は少なく, 30日目の時点でもおよそ1/10量であった.
 一方, 薫蒸をやめることによって残留アレスリンは順次消退し, 閉め切り条件下でも15日後にはおよそ1/3量にまで減少した.
 本報では, 部屋の壁や床にも残留が認められたこと, ならびに空気中の防虫剤濃度が比較的低いことを基に, 従来考えられている吸入による取り込みのほかに, 壁や床の残留アレスリンの経皮吸収も考慮すべきとしている.

残留した殺虫成分によるヒトへの健康への影響に関する報告は皆無に等しいが, 蚊取り線香を焚いた室内に子供がおかれ, 特に床などに残留した殺虫成分に幼少時から曝露される可能性を考えると, その影響の可能性に注意を払う必要があると考えられる.


runより:化学物質過敏症患者にとっては夏の嫌な物の1つですよね( ̄_ ̄ i)