喫煙場所を家の外に限定すると,子供の受動喫煙が減少するか | 化学物質過敏症 runのブログ

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・出典:食品・薬品安全性研究ニュース
http://www.jpha.or.jp/jpha/jphanews/anzensei.html

・喫煙場所を家の外に限定すると,子供の受動喫煙が減少するか
 環境中のタバコの煙は(ETS)は,環境中にあってヒトの健康を害する主要な危険因子の一つである.

例えば,喫煙習慣がある親を持つ子供は,喫煙しない親の子供よりも呼吸器系疾患にかかりやすいことが報告されている.

そこで ETS 曝露の程度を客観的に評価することが必要となるが,どの評価方法が最適であるかについては結論が得られていない.

これらの評価法の一つに毛髪中ニコチン法がある.この方法は,両親への聞き取り調査結果の不正確さを解消し,長期間曝露の確認に対応することができる.

毛髪は1か月に1±0.3 cm の速度で伸びるため,1 cm の毛髪ニコチン量は,約1か月の曝露量を反映する.

また,切り取った毛髪中でも,ニコチンは減少することなく室温で何年間も保持される.

本研究ではこの方法を用い,子供の毛髪中のニコチンレベルと,聞き取り調査から得られた家族の喫煙行動との関係を調べた.
 1996年の6月から10月の間に Wellington 病院の子供病棟に入院していた3か月から10歳までの117人の子供を対象として調査した.

対象者にはヘビースモーカーの両親を持つ子供も,非喫煙者の両親を持つ子供も含めた.

家族への聞き取り調査によって,家族の喫煙習慣の有無,喫煙量 (タバコの本数),喫煙場所,家に訪問する喫煙者数および子供が戸外で過ごす時間数についての情報を得た.

毛根近くの毛髪(50~100 mg)をサンプルとし,ラジオイムノアッセイ法によりニコチン量を測定した.

試験では,117例中毛髪サンプルが得られなかった2例,発育遅延の1例および聞き取り調査に不備があった2例の計5例を除外した.86.3%の子供は母親が世話をし,後見人あるいは祖父が世話する例が1例ずつ,残りの子供は父親が世話をしていた.

子供の平均年齢は3.9歳で,41.9%が女子であった.36.6%の子供 (41例) は,両親以外の18歳以上の大人と一緒に暮らしていた.27例の家庭には少なくとも一人の喫煙者がいた.

108人の子供が母親と一緒に暮らし,そのうち56人(51.9%)は喫煙者であった.また,91人の子供が父親と一緒に暮らし,そのうち48人(52.7%)は喫煙者であった.

49家庭(43.8%)では,喫煙者の訪問が毎週少なくとも1時間あり,これらの訪問者のうち35人(72.9%)は家の中で喫煙した