頚部経皮ステロイド療法の検討 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・一般演題
気管支喘息:病態と治療2
座長:興梠博次1), 鈴木直仁2)(1)熊本大学大学院医学薬学研究部呼吸器病態学, 2)同愛記念病院アレルギー・呼吸器科)

MS1-2-3.咳喘息・咳優位性喘息に対する頚部経皮ステロイド療法の検討

上村光弘 森田あかね 濱元陽一郎
国立病院機構災害医療センター 呼吸器科


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【目的】気管支喘息患者において胸骨上縁より頭側の頚部気管を圧迫したり頚部を後屈伸展させることで咳嗽が誘発されることが経験される.

同現象は喘息における頚部気管での炎症の存在を示唆すると考えた.

今回我々は表皮より至近距離にある頚部気管に対する経皮ステロイド療法を試みその有効性を検討した.

【方法】高用量の吸入ステロイドを含む現行治療でも持続する咳嗽に対し,前頚部のステロイド剤あるいはステロイドと抗ヒスタミン薬の合剤の塗布療法を試みた.

【成績】リンデロン軟膏5例中1例で,ネリゾナ軟膏1例,強力レスタミンコーチゾンコーワ(強レス)軟膏7例中1例で明らかな咳嗽の軽減がみられた.

リンデロン軟膏が有効であった一例は強レス軟膏が無効,強レス軟膏が有効であった一例はリンデロン軟膏が無効であった.

【結論】頚部気管は気管全長の約40%であり,表皮からは主にその前面しかカバーしえない.

そのため有効率は高くないものと考えられたが,有効例の存在は気管炎の存在を示唆しているものと思われた.

従来の治療法でも持続する咳嗽や吸入ステロイドが使用しづらい症例に対する補助療法として試みる価値があるかもしれないと考えた.

第18回日本アレルギー学会春季臨床大会 2006年5月開催