・一般演題
アスピリン不耐症/職業アレルギー
座長:榊原博樹(藤田保健衛生大学医学部呼吸器内科アレルギー科)
430.アスピリン不耐皮疹には少なくとも2つの病型がある―ロイコトリエン過剰産生型と非過剰産生型の提唱
谷口正実 東 憲孝 小野恵美子 東 愛 谷本英則 福冨友馬 関谷潔史 粒来崇博 釣木澤尚実 大友 守 前田裕二 森 晶夫 長谷川眞紀 伊藤伊津子 三田晴久 秋山一男
国立病院機構相模原病院 臨床研究センター
--------------------------------------------------------------------------------
【目的】NSAIDs不耐皮疹には,慢性蕁麻疹が基礎にありNSAIDsで悪化するタイプ(1型)と,普段はむしろ皮疹が少なく,NSAIDsにより強い蕁麻疹/血管浮腫を生じるタイプ(2型)があると推定する.
この病態の差にCys-LTsが関与している仮説をたて検討した.
【方法】NSAIDsで蕁麻疹もしくは血管浮腫が生じた既往のある患者14例を対象にした.内9例は1型で慢性蕁麻疹が基礎にあった.
他の5例は,普段はほぼ無症状でNSAIDsにより蕁麻疹/血管浮腫誘発歴のある患者(2型)であった.
なおNSAID単独アレルギー症例は除外した.
【結果】1型群は,ASA100-200mgで,蕁麻疹が生じたが,軽度でU-LTE4も増加しなかった.
一方2型群では,50-200mgで誘発され,3例で気道症状を伴い,血管浮腫も比較的顕著であった.
また全例でU-LTE4の増加を伴った.【結論】NSAIDs不耐皮疹には少なくとも2つの病型がある.
慢性蕁麻疹例のNSAIDs増悪は軽度であるが,Cys-LTs過剰産生型は誘発症状が重く,気道症状も少なくなく,アスピリン喘息類似病態であることが示唆された.
第56回日本アレルギー学会秋季学術大会 2006年11月開催