FDG-PETで陽性所見を認めた薬剤性肺炎の2例 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・一般演題
薬物アレルギー2
座長:冨田尚吾(昭和大学藤が丘病院呼吸器内科)

425.FDG-PETで陽性所見を認めた薬剤性肺炎の2例

森川美羽1) 出村芳樹1) 上坂太祐1) 梅田幸寛1) 竹田菜穂子1) 中西正教1) 水野史朗1) 飴嶋慎吾1) 石崎武志1) 宮森 勇2)
福井大学 呼吸器内科1) 福井大学 第3内科2)


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FDG-PETの炎症性疾患への集積は知られているが,びまん性肺疾患への知見は得られていない.

今回,FDGの両肺びまん性の集積所見が得られた薬剤性肺炎の2例を経験した.

【症例1】47歳,女性.平成11年右乳癌に対し乳房温存手術を施行している.平成17年11月より肝転移に対しPAC投与を開始した.

平成18年2月末より発熱・咳嗽が出現,定期診察の際に乳癌精査目的のPET/CTにて両肺びまん性のすりガラス影とFDGの集積を認め,経過よりPACによる薬剤性肺炎と診断,パルス療法を含むステロイド投与にて改善を認めた.

【症例2】70歳,女性.

平成15年,左乳癌に対し動注化学療法(EPI+5-FU+CPA)後左乳房切除術を施行している.

平成18年4月,乳癌精査目的のPET/CTにて両肺びまん性のすりガラス影とFDGの強い集積を認めた.

経過より内服中の抗精神病薬による薬剤性肺炎が疑われ,パルス療法を含むステロイド投与にて改善を認めた.

2例ともに乳癌治療に関連した薬剤性が最も疑われる間質性肺炎で,呼吸不全は認めず,FDG-PETが診断のきっかけとなった興味深い症例と考え報告する.

第56回日本アレルギー学会秋季学術大会 2006年11月開催