・一般演題
薬物アレルギー1
座長:小林信之(国立国際医療センター呼吸器科)
421.アマメシバに関連した薬剤性肺障害(閉塞性細気管支炎)の全国調査結果とその臨床像および肺病理組織所見
東元一晃1) 大中原研一1) 松山 航1) 長谷川好規2) 小倉高志3) 納 光弘1) 有村公良1)
鹿児島大学医学部歯学部附属病院 呼吸器内科1) 名古屋大学医学部附属病院 呼吸器内科2) 神奈川県立循環器呼吸器病センター 呼吸器科3)
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【背景】2003年健康食品「アマメシバ(Sauropus Androgynus;SA)」摂取後に発症した閉塞性細気管支炎の本邦初発例を報告した.台湾での大量発生に関する検討などからその発症には細胞障害性と免疫学的機序の関与が考えられているが,その詳細は明らかではない.
【目的・方法】わが国での発症およびその臨床像を明らかにするために全国1823の呼吸器科医療機関を対象に調査を行った.
発見症例に関して,2年後の追跡調査を行った.
【結果】SAに関連したと考えられる閉塞性細気管支炎が8例報告された.全例が女性.SA総摂取量は300~4380g,期間は120~730日.2年経過後,生体肺移植1例,呼吸不全による死亡1例,その他3例が在宅酸素療法を要していた.
移植,剖検の2例より得られた肺組織に病理学的検討がなされ,2例とも閉塞性細気管支炎と確定診断された.
【考察・結論】本邦症例の臨床像は台湾症例とほぼ同様であった.
また発症後SA摂取中止後も病状が進行する例が多く,通常の薬剤性肺障害とは異なる機序の関与が考えられた.
第56回日本アレルギー学会秋季学術大会 2006年11月開催