・一般演題
薬物アレルギー1
座長:小林信之(国立国際医療センター呼吸器科)
420.薬剤性肺炎における血清マーカーの検討について
大成洋二郎1) 横山彰仁1) 春田吉則1) 峠岡康幸1) 濱田泰伸2) 河野修興1)
広島大学 大学院 分子内科学1) 愛媛大学 第二内科2)
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【はじめに】薬剤性肺炎の診断にはDLSTやチャレンジテストなどが有用である.しかし,実際には臨床経過などにより診断されることが多い.
また薬剤性肺炎では多彩な画像所見を呈する.今回われわれは薬剤性肺炎におけるHRCT所見と血清マーカーの有用性について検討した.
【対象と方法】薬剤性肺炎患者24例,細菌性肺炎患者21例を対象とし,血清KL-6,サーファクタント蛋白(SP)-A,SP-D値を測定した.
薬剤性肺炎のHRCT所見をDAD,CIP,COP/EP,HPパターンに分類し各血清マーカーの検討を行った.さらに細菌性肺炎との鑑別診断における有用性についても検討した.
【結果】KL-6はDAD,CIPパターンで高率に陽性であった.SP-Aはすべてのパターンで高率に陽性であり,さらに細菌性肺炎においても陽性率が高かった.SP-DはDAD,CIP,HPパターンで高率に陽性であった.
細菌性肺炎との鑑別においてはKL-6が最も高い尤度比を示した.
【結論】HRCT所見により各血清マーカーは異なる結果を示した.薬剤性肺炎のHRCT所見と各血清マーカーを検討することは,薬剤性肺炎の補助診断に有用であると考えられる.
第56回日本アレルギー学会秋季学術大会 2006年11月開催