薬剤性肺炎の臨床的検討 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・一般演題
薬物アレルギー1
座長:小林信之(国立国際医療センター呼吸器科)

419.薬剤性肺炎の臨床的検討

安井牧人 岡安 香 古家 正 玉岡明洋 磯貝 進 宮崎泰成 大谷義夫 稲瀬直彦 三宅修司 吉澤靖之
東京医科歯科大学 医学部 呼吸器科


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【目的】日常臨床上使用機会の多い,消炎鎮痛薬および抗菌薬による薬剤性肺炎の臨床的特徴を明らかにする.

【対象】1996年から2005年までに当院および連携施設にて診断された薬剤性肺炎症例中,消炎鎮痛薬あるいは抗菌薬が原因であった22例.

【結果】男性14,女性8,平均56.5歳.薬剤は消炎鎮痛薬14例(NSAID 7例,acetaminophen 2例,総合感冒薬4例,消炎酵素薬1例),抗菌薬8例(minocycline 4例,panipenem/betamipron 1例,cefcapene 1例,cefteram 1例,isoniazid 1例).

組織診断は12例(54%)で得られ,7例がeosinophilic pneumonia(EP)であった.

その他,alveolitis,organizing pneumonia,diffuse alveolar damageなどの所見を認めた.HRCT上ground grass opacities(GGO)を全例に認め,小葉間隔壁肥厚(77%)や浸潤影(72%)などの所見が多かった.

DLSTは16例(72%)で陽性,抗菌薬の陽性率は消炎鎮痛薬に比べ低かった.治療は薬剤中止後の自然軽快4例,ステロイド投与18例で,いずれの症例もステロイドにて改善を認めた.

【まとめ】組織学的にはEPが多く,HRCT上GGO,小葉間隔壁肥厚が重要と考えられた.臨床的に多彩な組織,画像所見を呈するが,予後は良好であり早期診断,適切な治療が重要と考えられた.

第56回日本アレルギー学会秋季学術大会 2006年11月開催