・一般演題
薬物アレルギー・薬剤性障害1
座長:川名誠司(日本医科大学皮膚科)
P26.AMPCによる急性汎発性発疹性膿疱症の一例
水野隆久 荒川浩一 望月博之 徳山研一森川昭廣
群馬大学大学院医学系研究科小児生体防御学
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急性汎発性発疹性膿疱症(AGEP)は,発熱,間擦部中心の紅斑,紅斑上の小膿疱,角層の剥離を認める予後良好な疾患であり,抗生剤が原因となることが多く,スティーブンス・ジョンソン症候群などとの鑑別が困難な事が多い.今回,抗生剤(AMPC)によるAGEPの小児例を経験したので,報告する.
【症例】6歳,女児.【現病歴】平成16年11月,副鼻腔炎の診断にて,AMPCを処方された.
平成17年9月頃より再度鼻汁,鼻閉を認め,10月3日,AMPCを処方された.4日夕より眼瞼,口唇周囲に発疹が出現し,頚部,腹部に広がった.5日,外来受診し,薬疹が疑われたため,AMPCを中止した.
しかし,症状は増悪したため,6日入院となった.
【入院時現症】眼瞼・口唇周囲,頚部,両側腋窩・肘窩・膝窩・鼡径,大腿内側,腹部に,疼痛を伴う紅斑を認めた.
【入院後経過】入院後,輸液,PSL静注を行ったが,症状は改善せず,一部に水疱,膿疱が出現した.SSSSの可能性も否定しきれず,MINO併用を開始したが,培養にて原因菌の検出はみられなかった.
皮膚所見は次第に落屑となり,改善した.
退院後,AMPCに対するDLST,パッチテストで陽性であり,最終的にAGEPと診断した.
第18回日本アレルギー学会春季臨床大会 2006年5月開催