・一般演題
薬物アレルギー・薬剤性障害1
座長:川名誠司(日本医科大学皮膚科)
P24.硫酸イセパマイシンによる薬疹
遠藤英樹 南 幸 大磯直毅 川原 繁川田 暁
近畿大学 医学部 皮膚科
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41歳,女性.
全盲,精神遅滞があり,コロニー施設入所中.2005年5月9日,発熱,咽頭痛があり,扁桃炎の診断でペントシリン&点滴とサワシリン&内服の治療を開始したが,食事摂取困難があるため翌日近医受診し,入院した.
入院後,硫酸イセパマイシン(エクサシン&)400mg/dayの点滴治療を行なったところ,投与5日目に腹部,四肢に紅斑が出現した.
直ちに点滴中止し,抗アレルギー剤を内服し始めたが,紅斑は体幹・四肢全体さらに顔面へと拡大し,浮腫性紅斑へと変化.
さらに一部の紅斑の上に膿疱と浸出液も伴ってきたため当科受診となった.
紅斑部の生検病理組織所見にて,真皮浅層血管周囲の炎症細胞浸潤と表皮基底層の軽度液状変性が見られた.
当科へ転院後,ステロイド全身投与(水溶性プレドニン80mg/dayより開始し,徐々に減量.)で皮疹軽快した.
ステロイド中止後,硫酸イセパマイシンのパッチテストを行なったところ,48時間後,72時間後の判定で10%,1%において陽性を示した.
よって硫酸イセパマイシンの薬疹と考えられた.
第18回日本アレルギー学会春季臨床大会 2006年5月開催