川崎病回復期に発症した中毒性表皮壊死症の男児の1例 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・一般演題
薬物アレルギー2
座長:浅田秀夫(奈良県立医科大学皮膚科)

P5-2-7.川崎病回復期に発症した中毒性表皮壊死症の男児の1例

田中裕也, 安部信吾, 笠井和子, 中岸保夫, 三好麻里
兵庫県立こども病院リウマチ・アレルギー科


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【症例】3歳男児【現病歴】川崎病に罹患し第5病日に大量免疫グリブリン療法(IVIG)が施行され解熱.

また第5病日からフルルビプロフェン,第14病日からアスピリンが使用された.第17病日にアスピリンを減量.

第20病日より発熱,口唇・口腔内・両側手掌・包皮の発赤と結膜充血が出現.川崎病の再燃として第22病日よりIVIGが施行され,アスピリンを増量された.症状の改善がなく,第24病日に当院へ紹介受診し入院.

【入院時現症】体温38.5度.水疱,表皮剥離,糜爛は体表面積の80%に認められ,粘膜病変を認めた.

【経過】中毒性表皮壊死症(TEN)と考え,アスピリンなどの薬剤を中止し,補液・栄養管理,感染防止等の全身管理を行い,局所の皮膚病変や眼病変の管理を行った.

ステロイドパルス療法を施行し,後療法としてプレドニゾロンを使用.

病理組織でもTENで矛盾のない所見であった.経過中ほぼ全身の表皮剥離を認めたが,上皮化が進み入院25日目に退院し,現在後遺症なく経過している.

フルルビプロフェンとアスピリンに対するDLSTを施行したが陰性.

【まとめ】川崎病後に発症したTENの症例を経験した.全身の集中管理により,感染をコントロールすることで救命でき,眼の後遺症もなく経過した.

原因薬剤は特定できなかった.

第22回日本アレルギー学会春季臨床大会 2010年5月開催