・一般演題
薬物アレルギー2
座長:浅田秀夫(奈良県立医科大学皮膚科)
P5-2-6.スクラッチテストでフタラール液によるI型アレルギーの診断に至った一例
岡崎志帆子, 室井栄治, 原 肇秀, 竹中 基
長崎大学病院皮膚科
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58歳男性.2007年10月29日,膀胱癌に対して経尿道的膀胱腫瘍切除術を施行した.
その後3ヶ月毎に膀胱鏡で経過をフォローアップしていた.
2009年8月25日膀胱鏡検査終了約2時間後に包皮が腫脹し,翌日消褪した.2009年11月24日の膀胱検査終了後約30分後に包皮の腫脹,全身の膨疹が出現した.
膨疹は抗アレルギー薬内服で改善した.
精査目的にて2009年11月25日当科受診した.初診時,包皮は浮腫状に腫脹していた.
当初,ラテックスアレルギーを疑い膀胱鏡検査施行時に包皮に触れた可能性のある物について検査を行った.
エコノミーグローブ,パウダーフリーラテックスグローブ,グルコン酸クロルヘキシジン液,フタラール液,塩酸リドカインゼリーの5種類についてオープンテスト,プリックテストを施行した.オープンテストではすべて陰性であったが,スクラッチテストではフタラール液にて陽性であった.
以上よりフタラール液によるI型アレルギーと診断した.フタラール液は内視鏡類や外科手術用具などの消毒液として使用されていることから医療従事者は認識し留意しておく必要があると考えた.
第22回日本アレルギー学会春季臨床大会 2010年5月開催