・一般演題
薬物アレルギー2
座長:浅田秀夫(奈良県立医科大学皮膚科)
P5-2-1.緑内障治療薬latanoprostの喘息患者に対する影響の可能性について
灰田美知子1), 新本和英2), 小柳久美子1), 高松富佐子1), 黒木宏隆3)
半蔵門病院アレルギー呼吸器内科1), 麹町眼科2), バンビー薬局一番町店3)
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【目的】Latanoprostはぶどう膜強膜流水経路からの房水流出促進作用により緑内障に有効であるがプロスタグランディン(PG)製剤であるため気管支収縮作用,気道過敏性を示す可能性がある.
本剤はPGF2α受容体への特異的作用を主としPGF2と異なるとされるが,今回,本剤使用中に臨床的に注意すべき症例を経験したので報告する.
【成績】Latanoprostの処方で何らかの有害事象を経験した5例中,1例は使用開始37日で強い喘鳴,41日でチアノーゼを伴う発作を経験,76-97日の間,発作継続のため外来で点滴治療を継続.
99日目に因果関係を疑い中止した所,5日後に症状が消失した.
2例目は10年間latanoprostを継続後,徐々に胸部閉塞感が出現,SABAは効果がなくSaO2の低下,微熱も見られた.
治療のために来院したが典型的な喘息と異なるため原因検索を行いlatanoprostの使用を疑い中止した所,胸部閉塞感は徐々に消失した.
他3例は喘息悪化因子を検討,latanoprost使用を疑い中止し喘息症状は改善した.
【結論】喘息に対する安全性の報告はあるが検討期間が短くステロイド使用症例も含む.
個々の症例では喘息悪化要因の可能性があり,今後,喘息患者に使用の際には注意深い観察が必要である.
第22回日本アレルギー学会春季臨床大会 2010年5月開催