・一般演題
小児喘息 治療
座長:土居 悟(大阪府立呼吸器・アレルギー医療センター)
P2-5-6.乳幼児喘息におけるブデソニド懸濁液の有用性
中野泰至1), 森田慶紀1), 有馬孝恭1), 冨板美奈子1), 下条直樹1), 鈴木修一2), 佐藤一樹2), 山出晶子3), 星岡 明3), 田島和幸4), 河野陽一1)
千葉大学大学院医学研究院小児科学1), 国立病院機構下志津病院小児科2), 千葉県こども病院3), 君津中央病院小児科4)
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【目的・方法】乳幼児ではステロイドの加圧式定量噴霧式吸入器(pMDI)による吸入が困難なことが多く,年長児と比べるとコントロールが困難であり入院数も減少していない.
そこで今回乳幼児でのブデソニド懸濁液の有用性を評価した.
1歳から5歳未満の気管支喘息患者でフルチカゾン(pMDI)100μg/日を8週以上投与されている患者を対象に無作為にフルチカゾン吸入継続群とブデソニド吸入への変更群に振り分けた後,各群12週間観察した.
変更前後においてQOL調査票,睡眠チェックシートを用いて臨床症状,QOLの変化の違いを調査した.
【結果】現在フルチカゾン群5名(中央値35か月),ブデソニド群6名(中央値37か月)がエントリーされている.
両群とも治療を考慮した重症度は全例が重症持続型だった.QOL点数を前後で比較するとフルチカゾン群(-2点)に比べてブデソニド群(-5点)の方がQOL点数の改善が認められた.
【まとめ】ブデソニド懸濁液は吸入手技の困難な乳幼児において有用な治療法であることが示唆された.
本学会では症例数を増やして報告する予定である.
第22回日本アレルギー学会春季臨床大会 2010年5月開催