重症小児気管支喘息の1例 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・一般演題
小児喘息 治療
座長:土居 悟(大阪府立呼吸器・アレルギー医療センター)

P2-5-4.ブデソニド吸入液開始後に内服ステロイド薬の常用を中止することができた重症小児気管支喘息の1例

山出晶子1), 黒田早恵1), 星岡 明1), 河野陽一2)
千葉県こども病院アレルギー科1), 千葉大学大学院医学研究院小児病態学2)


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【症例】9歳女児【既往歴】アトピー性皮膚炎,食物アレルギー

【現病歴】生後9ヶ月時に気管支喘息と診断.RTC,DSCG・プロカテロール吸入などの治療にて症状が改善せず,生後11ヶ月時に当科へ紹介となる.

1歳0ヶ月時に精査加療のため初回入院,発作のコントロールに難渋し,5ヵ月間の入院を要した.

退院後,ベクロメタゾン吸入,PSL内服(0.2mg/kg/日)を継続したが症状の改善に乏しく,発作による入院を頻回に繰り返した.

3歳6ヶ月時にフルチカゾン吸入に切り替え,最大600μg/日まで増量したが,やはり治療への反応は不十分であり,頻回の発作入院を繰り返していた.

しかし,2006年(6歳4ヶ月)よりブデソニド吸入液(0.5mg/日)を導入したところ発作の頻度が著明に減少し,さらに増量(1.0mg/日)に伴い,内服プレドニンの減量が可能となった.

入院を要することもほぼなくなり,9歳4ヶ月時にPSL内服を中止することができた.

【結語】乳児期より治療に難渋し,頻回(計42回)の発作入院を要した重症気管支喘息患児であるが,ブデソニド吸入液の導入により,コントロール状態が著明に改善した.

ブデソニド吸入液は年長児の重症気管支喘息患者においても有用性が期待できる.

第22回日本アレルギー学会春季臨床大会 2010年5月開催