・一般演題
小児喘息 治療
座長:土居 悟(大阪府立呼吸器・アレルギー医療センター)
P2-5-5.気管支喘息急性増悪に対するブデゾニド吸入用懸濁液の治療効果
小川絢子, 藤原順子, 中里純子, 小田優子, 中村浩章, 平井 香, 岸田 勝, 関根孝司
東邦大学医療センター大橋病院小児科
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【はじめに】小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2008(JPGL2008)では,気管支喘息急性発作(中発作)の治療として,1)β2刺激薬反復吸入,2)全身性ステロイド薬投与が推奨されている.
しかし,全身性ステロイド薬は,副腎抑制,成長・骨代謝障害などの副作用が懸念される.一方,ブデゾニド吸入用懸濁液(以下BIS)投与では上述のような副作用は臨床的に問題となることは殆どないとされている.
今回,6か月以上5歳未満の気管支喘息急性中発作に対し,1)BIS投与群,2)全身性ステロイド薬投与群の2群で,治療効果を比較検討した.
【対象と方法】気管支喘息中発作で来院し外来でのβ2刺激薬反復吸入にて症状改善を認めなかった6か月以上5歳未満の乳幼児23例(2008年11月~)を対象とし,2群へ無作為に振り分け入院治療を行い,両群間で,酸素投与日数,入院日数等の臨床症状を比較検討した.
【結果】両群間で,年齢,発作時の酸素飽和度等,初診時の臨床状態,入院後の酸素投与日数,入院日数に有意差は認めなかった.
【結語】気管支喘息中発作の入院治療において,BIS吸入療法が全身性ステロイド投与に比較して非劣性であることが示唆された.
第22回日本アレルギー学会春季臨床大会 2010年5月開催