・一般演題
気管支喘息 治療3
座長:滝澤 始(帝京大学溝口病院第四内科)
P1-5-6.当院の成人気管支喘息患者における治療薬及びコントロール状態の推移に関する検討
東野茉莉, 放生雅章, 飯倉元保, 平野 聡, 杉山温人, 小林信之, 工藤宏一郎
国立国際医療センター呼吸器科
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【目的】成人気管支喘息の長期管理では吸入ステロイド(ICS)と長時間作用性β2刺激薬(LABA)の併用が有用とされ,我が国では2007年6月にサルメテロール/FP配合剤(SFC)が販売された.
その他にも治療薬の選択肢が増えていることから,治療薬変更の実際を調査した.
【方法】2007年8月から2009年12月まで当院に外来通院した成人気管支喘息患者を対象に,2007年と2009年の治療薬及びコントロール状態を比較検討した.
2007年の通院者数は567人で,2年間追跡し得たのは496人であった.
【結果・考察】対象の内訳は男性231人(46.6%),女性265人(53.4%)であった.
2009年でICS製剤変更があったのは37.1%で,ICSの内訳として2007年はFP54.2%,BUD35.5%,BDP-HFA7.5%であったが,2009年ではSFC30.8%,CIC-HFA2.2%が加わりFPは23.0%と減少を認めた.
ICS以外の長期管理薬の使用は,LABAは58.3%から62.3%,β刺激薬貼付剤は5.8%から7.4%,テオフィリン徐放製剤は31.0%から30.6%,ロイコトリエン受容体拮抗薬は22.0%から25.2%へ変化したが,いずれの薬剤も2年間で有意な変化は認めなかった.
当院におけるSFC上梓に伴うICS製剤変更は,FPからの移行が大多数であり他製剤からの変更は少数であることがわかった.
第22回日本アレルギー学会春季臨床大会 2010年5月開催