花粉症) に対する小青竜湯と大青竜湯の効果 | 化学物質過敏症 runのブログ

化学物質過敏症 runのブログ

化学物質過敏症 電磁波過敏症 シックスクール問題を中心としたブログです

・出典:日本東洋医学会
http://www.jsom.or.jp/universally/

http://www.jsom.or.jp/medical/ebm/er/pdf/980007.pdf
漢方治療エビデンスレポート 2010
日本東洋医学会 EBM 特別委員会エビデンスレポート/診療ガイドライン タスクフォース

呼吸器系の疾患(インフルエンザ、鼻炎を含む)
1. 目的
春期アレルギー性鼻炎(花粉症) に対する小青竜湯と大青竜湯(桂枝湯合麻杏甘石湯) の効果
2. 研究デザイン
準ランダム化比較試験(quasi-RCT)
3. セッティング
医院 1施設
4. 参加者
1998年1月26日から1998年4月9日まで受診した初診の花粉症
虚証は除く 135名
5. 介入
外来受付順による群分け。
症状が強いときはインタール点鼻、点眼(クロモグリク酸ナトリウム) を併用。
大青竜湯(コタロー桂枝湯エキス細粒5g +コタロー麻杏甘石湯エキス細粒9g)
Arm 1: コタロー小青竜湯エキス細粒7.5g x3 entry 28名 解析可能例 15名
Arm 2: 大青竜湯14.0 g x3 entry 28名 解析可能例 24名
6. 主なアウトカム評価項目
くしゃみ、鼻汁、鼻閉
眼周囲掻痒感、流涙、眼脂、眼痛
7. 主な結果
症状別改善度は,Arm 1とArm 2では有意差は認められなかった。
全般的改善度(鼻症状の重症度) の軽度改善以上はArm 1は46.7%、Arm 2で87.5%であり改善度に有意差を認めた。
8. 結論
症状別には小青竜湯と大青竜湯に効果の差がない。

全般改善度は大青竜湯が小青竜湯に比べ有意に高い改善度を示す。
9. 漢方的考察
小青竜湯は中間証から実証に用いられるため、虚証の患者は除外した。

また[森壽生, 嶋崎譲, 倉田文秋, ほか. 春期アレルギー性鼻炎(花粉症) に対する小青竜湯と越婢加朮湯の効果-両剤の効果の比較検討- . Therapeutic Research 1997; 18: 3093-9.] で越婢加朮湯が花粉症に有効であり、その構成生薬である、麻黄と石膏を含む大青竜湯を今回の比較試験に用いた。
10. 論文中の安全性評価
大青竜湯で1名、手足眼瞼の浮腫、体重増加あり、偽アルドステロン症であった。
11. Abstractorのコメント
森氏の花粉症に対する論文は小青竜湯が中心になっている。

「馬場駿吉, 高坂知節, 稲村直樹, ほか. 小青竜湯の通年性鼻アレルギーに対する効果-二重盲検比較試験- . 耳鼻咽喉科臨床1995; 88: 389-405.」を参照する必要がある。
12. Abstractor and date
藤澤 道夫 2008.10.13, 2010.1.6, 2010.6.1