柴朴湯のジアゼパムの抗不安・抗鬱増強作用に関する有効性 | 化学物質過敏症 runのブログ

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漢方治療エビデンスレポート 2010
日本東洋医学会 EBM 特別委員会エビデンスレポート/診療ガイドライン タスクフォース

精神・行動障害
1. 目的
柴朴湯のジアゼパムの抗不安・抗鬱増強作用に関する有効性
2. 研究デザイン
ランダム化比較試験(RCT)
3. セッティング
診療所 (ペインクリニック) 1施設
4. 参加者
慢性的に不安状態あるいはうつ状態を示している15名。

解析対象は15名
5. 介入
Arm1: (メーカー記載無し) 柴朴湯エキス剤7.5g/日(内服回数は記載無し) を2週間投与し、その後ジアゼパムを6mg/日を2週間内服。7名
Arm 2: ジアゼパムを6mg/日を2週間内服。8名
6. 主なアウトカム評価項目
Hamilton Rating Scale (HS) 、ジアゼパム・デスメチルジアゼパム血中濃度、Motor nerve Conduction Velocity (MCV)
7. 主な結果
HS平均値は、Arm 1で柴朴湯投与前11.0、柴朴湯投与終了時7.4、ジアゼパム投与終了時4.1と経過し、Arm 2ではジアゼパム投与前8.9、投与終了時5.5と経過した。

両群ともジアゼパム投与前後で有意に改善した。ジアゼパム・デスメチルジアゼパム血中濃度とMCVにおいて両群間で差を認めなかった。
8. 結論
柴朴湯を先行して投与しておくことで、ジアゼパムをはじめから投与した場合に比較し同程度以上の抗不安・抗うつ作用が認められる。
9. 漢方的考察
なし
10. 論文中の安全性評価
記載なし
11. Abstractorのコメント
本論文は、不安神経症患者の抗不安・抗鬱作用に対する柴朴湯の単独効果とジアゼパムを追加投与した際の効果をランダム化比較試験で評価したエビデンスの質の高い研究である。

結果にないが、考察で臨床上は柴朴湯の投与により、臨床症状の改善傾向を認めたと記載されている。

また、症例数が、少ないにもかかわらず柴朴湯前投与群で、ジアゼパムの効果が増強される傾向であったことから、より多数例での評価が期待される。

さらに、考察で、柴朴湯投与群で臨床症状の改善傾向を認めたと記載しこれを結論としていることから、臨床症状の評価方法等も加えられるとさらに論文の質が高まると考えられる。
12. Abstractor and date
後藤博三 2007.6.15, 2008.4.1, 2010.6.1