睡眠障害に対する抑肝散加陳皮半夏の有効性 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・出典:日本東洋医学会
http://www.jsom.or.jp/universally/

http://www.jsom.or.jp/medical/ebm/er/pdf/020003.pdf
漢方治療エビデンスレポート 2010
日本東洋医学会 EBM 特別委員会エビデンスレポート/診療ガイドライン タスクフォース

神経系の疾患(アルツハイマー病を含む)
1. 目的
睡眠障害に対する抑肝散加陳皮半夏の有効性
2. 研究デザイン
ランダム化比較試験(cross over) (RCT- cross over)
3. セッティング
実施施設に関する記載無し(著者は秋田赤十字病院)
4. 参加者
本試験実施前に健常男性20名に抑肝散加陳皮半夏を投与し、睡眠に好影響が認められた健常男性7名
5. 介入
Arm 1: (メーカー名不明) 抑肝散加陳皮半夏エキス剤(投与量・投与回数不明) を3日間内服後一週間内服を中止し、再度3日間安中散エキス剤を内服
Arm 2: (メーカー名不明) 安中散エキス剤(投与量・投与回数不明) を3日間内服後1週間内服を中止し、再度3日間抑肝散加陳皮半夏エキス剤を内服
(計7名の群分け方法は記載無し)
6. 主なアウトカム評価項目
睡眠時間、睡眠導入時間、睡眠深度、Rapid eye movement (REM) 睡眠時間
7. 主な結果
全睡眠時間においてArm 1は438±13 min、Arm 2は371±19 minで、Arm 1においてArm 2に比較し有意に延長を認めた。
8. 結論
抑肝散加陳皮半夏は睡眠時間を改善する。
9. 漢方的考察
抑肝散加陳皮半夏の有効であった7名を選び二重盲検試験を実施している。
10. 論文中の安全性評価
両群とも副作用の発現は認めなかった。
11. Abstractorのコメント
本論文は、睡眠に対する抑肝散加陳皮半夏の効果を二重盲検ランダム化比較試験で評価したエビデンスの質の高い研究である。

安中散をコントロール薬として抑肝散加陳皮半夏の睡眠に対する効果を評価しているが、参加者は、すでに抑肝散加陳皮半夏を内服した既往があることから、両薬剤の味が似ているとは言えブラインドする上で問題が残ると考えられる。

しかし、polysmonographyを用い、客観的に睡眠を評価しようとしている点は、優れた研究内容と考えられることから、さらに多数例での検討が期待される。
12. Abstractor and date
後藤博三 2007.6.15, 2008.4.1, 2010.6.1